ダンゴムシを運ぶアリ

テニスコートのアリの巣を見ていたら、丸くなったダンゴムシが巣の入り口につっかえていて、みんなで砂粒を運び出しては入り口を広げていました。しばらくして行ってみたら跡形もなかったから、うまく運び込めたのでしょうか。丸くなったダンゴムシをアリの巣に落とす瞬間を想像すると楽しいですね。ころころころっと巣の中を転がり落ちていったりして。

あのダンゴムシは死んでいたのでしょうか。それとも災難が去るのを待って丸くなっていたのかな。

日々草

秋になっても、日日草は元気、毎日新しい花を次々咲かせてくれます。

ある日窓から見ていた夫の話です。
ホウジャクがホバリングしながら長いくちばしを花の真ん中に差し込んでは、花から花へと移動していきます。とある花から蜜を吸い終わって離れようとしたしたら、くちばしに花がくっついて持ち上がってしまって、びっくりしたようでした。ぷるぷるとくちばしを振って落としていました。

日日草の花は毎日落ちますけど、時々鉢から離れたところでも見かけますよね。風で飛んだのかと思っていたけど、ひょっとしてもっていっちゃったやつがいたのかも。しかしホウジャクにとってはかなり重かったでしょう。「げっ」と心の中で思っていたかも。



花屋さんに棲む
新しくできた大きめの花屋さんの前を通りかかったら、なにやら店内を飛んだものがいたような気がして、確認のために入ってみました。

2000円のアレンジドフラワー(手みやげ屋なんかに持ってく、オアシスに埋め込まれてバスケットに入った花の詰め合わせ)の菊の仲間にセセリチョウが一頭とまって蜜を吸ってました。花にとまっているときのセセリチョウというのは、ほんとにのんびりしていて、簡単につかまるので子供の頃よく遊んだんですけど、さすがに2000円の花を痛めてはと思ってやめました。しかし花屋さんに棲むってのは、なかなか利口なやつですね。


急行電車に乗ったタンポポの種

池袋発急行電車の車内にて。タンポポの種が一粒、冷房の風にふわふわと車内を舞っている。目で追っていくと静電気のせいか乗客の体に吸い付いたようだ。これでうまく終点で下車できれば、池袋から森林公園まで一気に分布を拡大できるのだ。なかなか賢い選択だったかもしれない。降り損ねると、再び池袋だったりする可能性もあるが。

 フロリダで行方不明になった猫が、7年後にサンフランシスコで保護され、埋め込まれていたマイクロチップで飼い主と連絡がついて再会できたというニュースがJAPAN TIMESに乗っていた。こいつはどんな文明の機器をつかったのだろうか。飛行機に乗ったか車でインターステートハイウェイを走ったのか。



我が家のハナアブ

我が家のパンジーのプランターをなわばりにしている花アブが一匹いました。他の虫が近づくと追い払っています。満開のパンジーは魅力的なのか、敵が多くて忙しそうでしたが、誰も来ないときは近くの煉瓦の上でひなたぼっこする姿も。



リュウキュウアサギマダラのねぐら

沖縄の水納島で見た、アダンにねぐらをとるリュウキュウアサギマダラです。この島はお店が一軒もなく、自動販売機も港の海の家しかなかったのが印象的でした。本島まで15分で渡れるのでひつようないんでしょうね。



私のミドリさん

ゾウリムシやミドリムシのように、体が細胞分裂でまっぷたつになって二匹になったとき、個人というものの存在はどうなるのだろうか。

私がペットに「ミドリさん」というミドリムシを飼っていたとして、ある朝水槽をのぞいたらミドリさんが二人になっていたら、どっちが私の知っていたミドリさんなんでしょう。

もしも片方がメダカに食われてしまったら、私のミドリさんは生きてるの?それとも死んじゃったの?

授業で話したら生徒にけっこううけました。


パンが空から落ちてきた

桜並木を通勤のために歩いていたら、目の前に親指のかけらほどの小さな食パンのかけらが落ちてきました。直前に頭上を通過したハシブトガラスが落としたのか、それとも頭上の枝に止まっている二羽のヒヨドリのどちらかの落とし物だろうか。12月の寒い日でした。



アリ人生最後のごちそう
大雪公園温泉ホテルは今夜で今年の営業終了、さすがに夜は冷え込む。夜宿の塗り壁をよろよろとアリが一匹這いあがろうとする。どこへ行くのか、此の寒さに既に力尽きかけているのか20cmと行かないうちにどてっと落ちてくる。懲りずに登ってはどてっ登ってはどてっとなってしばらくすると、力尽きて体を丸めてしまった。お風呂上がりに買った缶ジュースを少し飲ませてあげると、なぜか少し元気を取り戻した模様で体を伸ばしてもぞもぞうごめいていた。しかし結局その晩力尽きて、お亡くなりになってしまった。われわれのあげたジュースがアリ人生最後のごちそうとなったろうか。
翌日緑岳中腹まで登って、ギンザンマシコを間近にじっくりと観察した。 10月10日


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