マータの村

 準備して17時30分にホテルの入り口で待つが、誰もいない。10分くらい待ってから受付で聞いてみると、マータは帰ってしまったという。17時30分に彼女が帰るときにホテルの車で我々を連れて行ってくれるよう手配してくれるといったのだが、誰もそんな話は聞いてないようだ。しかしとにかくマータの村Buriwinへ行きたいといったら、車を出してくれた。

 マータの猫木々の中に小さな家が点在する。ホテルのバンがつくとあちこちの家から人が集まってきた。マータも赤ちゃんを連れて出てきた。猫と犬も一匹ずつ。顔の色の違う人間を見るのは猫人生初めてだろう。人間にも、猫と同じようにいろいろな色のがいると知ってびっくりしたかどうか聞いてみたいところだ。

 マータは小さなお店を経営している。まずはお店の前庭に敷物を敷いてそこに座れといって、お店の商品のパインジュースを出してもてなしてくれる。そばにパンノキがあり、昨夜オオコウモリが食べかけたと思われる実が見える。その近くにはマンゴーの木もあり、どさっと音がして実が落ちると、拾ってきて食べろとすすめてくれた。

 オオコウモリがくるのを待ちながら、マータと話す。こちらの人はオオコウモリを食料としている。皮を剥いでフライパンで炒めるとおいしいそうだ。3種類の大きさのコウモリがいるが、大きいのは食べるために撃つので、少なくなっているという。パンの実ももちろん食料で、たき火に乗せてひっくり返して、外側の黒い焦げた皮を剥がして食べるそうだ。

 お店から流れているラジオで日本語教室が始まった。ピジン語による日本語講座だ。日本には言葉は一つしかないのかと聞かれる。パプアニューギニアにはたくさんの言葉があって、彼女はこの辺のトーライ族の言葉クアヌア語とピジン語と英語を喋れるという。ちなみにクアヌア語でオオコウモリはゲナウ、小さなコウモリはテ・ペというそうだ。

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