コウモリを見に

ホテル前の海岸から見たラバウル 12月31日5時40分、外は既に明るいが、どんよりと曇っている。

 食堂から海に降りてみた。対岸のニューアイルランド島やラバウルの火山も見えない。ナキカラスモドキが次々と海の飛び込んで腹を濡らしている。昨夜マータからもらったマンゴーを朝食がわりに食べてからうたたねしていたら、メイドさんにドアをたたかれた。8時40分だ。コウモリを見に行くんじゃないかと言われる。それって9時出発のはずだし、忘れてなんかいないけど、ともあれフロントに行ってみた。今日はちゃんと話が通じていてマータがでてきた。しかしドライバーがどこかに行っていて探すのに時間がかかって、結局出発までに20分ちかく待たされた。

 駐車場をゴマダラチョウににた白い大きな蝶がふんわりふんわりと飛んでいった。

 9時過ぎに出発。マータの家まではほんの10分ほどだ。ここで男性3人が乗り込む。1人はマータのお店の向かいに住む上半身裸で腰布をまとった太めの貫禄ある男性。この人の家はマータのお店から中まで丸見えなのだが、所持品は洋服が多少と毛布と食器が少々。Simple lifeを絵に描いたような生活ぶりだ。もう1人はマータの夫と思われるが、3人の中では唯一ちゃんと洋服を着て立派な靴を履いている。そして車が出発する間際に太めのおじさんが近くにいた若い男性をTour guideといいながら乗れよとばかりに手招きすると、にこにこしながら乗ってきた。この人も上半身裸で裸足で腰布をまとっている。

 車はでこぼこ道を進み、ブッシュに家が点在するなかを縫って一軒の家の前で停まった。ここから歩き出すらしい。まずはこの家の住人と握手をする。

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