蛍の光

 オオコウモリ観察で夜出歩いていると、ホタルをよく見かける。沖縄にはゲンジボタルやヘイケボタルのように幼虫の時水中生活を送るものは少なく、幼虫も陸上で見られる大型のマドボタルの仲間が生息し、幼虫も強い光を発する。集めてかごにでも入れると蛍の光で勉強できそうだ。餌はカタツムリである。

 前に石垣島のバンナ岳公園に夜観察に行ったら、地面も上も植生の上も一面に神秘的に光る光景を見たことがある。空には満天の星、地面も満天の星である。

 小浜島でも、集落のはずれでオオコウモリを観察していると、このホタルの幼虫がよく見られる(オオシママドボタルでいいのだろうか?沖縄昆虫野外観察図鑑には分布は石垣島西表島となっているが)草の葉や地面を光が動いていく。数センチはある幼虫の尾に2点光るところがある。かなり強い光で、動きも素早く、道を横切っていくのもあちこちで見かけた。サトウキビ畑の中でも光っている。

 しかしこれだけライトつけまくっていると、この灯りをたよりに捕食する動物というのは出てこないのだろうか。ホタルは悪臭をだすので捕食者は避けると聞いたことがあるが、やはりそのせいなのだろう。

 大佛次郎の童話で、スイッチョ猫とiいうのがある。庭でスイッチョと鳴く虫を好奇心から食べちゃった子猫は、いつもお腹からスイッチョスイッチョと夜も眠れない。お医者さんに診てもらって・・・ホタルを食べた食虫コウモリのお腹がほんのり明るかったりしたら楽しい。

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