桜餅の蜜線

桜餅の蜜線某環境教育施設に勤めている夫が、昨日とつぜん桜餅を買ってきた。桜の展示に、蜜線の説明を加えようと思ったそうだが、あいにく桜餅をつつんでいる桜は柄がほとんど切り落とされていて、蜜線がついていない。買う前にショーケース越しに一生懸命見たそうだが、よくわからなかったという。

 それをいってくれれば、桜餅の葉だけ食材として売っているのに、ということ翌日探してきた手作り桜餅用の塩漬け桜の葉には、しっかり柄がついていて、蜜線もついていました。

 川越の銘菓店の桜餅はおいしかったけど、和菓子屋のショーケースで男性が桜餅をまじまじと見つめている様子は、かなり怪しげな情景ではないだろうか。

 ちなみにこの蜜線は、蟻を呼び寄せて葉を食害する虫を撃退してもらうためと言われています。で、塩漬け桜の葉のパックから、小さな蟻が一匹でてきたそうです。これって、採集されたとき、ちょうど蜜線で甘い汁を吸っていたてたんでしょうね。通常ゴミや埃は落としていると思うのですが、あくまで桜の葉
と運命を共にしようと、しっかりとくっついてたんでしょう。

 人間が食べるときは葉柄は堅いので短く切ってしまうことが多いようですが

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