火口を歩く

sand trailは名前の通り ビジターセンターに戻り、火口へ降りるトレイルを歩く。まずはごく小さなピークに登るのだが、妙に息が切れる。車で一気に登ったのでつい忘れてしまうが、ここは3000m近い高山であることを改めて実感した。
 11時半から下り始める。馬でクレーターの中を行くツアーが、われわれとほぼ同時に出発。Sand trailという文字通り砂だらけの道を、砂埃をあげて見る見る遠ざかっていった。馬って速い!車がなかった時代にいかに馬が大切だったかがわかった。

 一番近くにある噴丘まで往復する5マイル(8km)のコースを進む。 Silverswordが火山灰の斜面にたくさん生えている。ピークは過ぎたようだが、多少花も見られる。
 13時頃噴丘に着いてお昼を食べる。アメリカ文化の影響を受けたところならどこにでもSPAMという缶詰の豚肉がある。ロタでも地元系レストランやスーパーのお総菜など至る所で見たし、沖縄にはポーク玉がある。コンビーフのように、適度に味がついていて食材として便利なのだろう。ホテルのそばのスーパーで、このスパムを揚げたものを乗せて海苔を巻いたおにぎりを見つけたので買ってみた。まあまあである。あとはキャベツの炒飯、これは結構美味しかった。

 昼食が終わって、さて帰ろうと登りにかかったとたん、頭が痛み息が切れる。最初のピークもそうだが、とにかく登るのがしんどい。調子よく下ってきたが帰りは休み休みである。ところどころにWalk Slowlyの看板があったことを今更ながら思い出した。
 ビジターセンターにたどり着いたのは15時。ちょうどラクダ隊、じゃなくて乗馬ツアーもほぼ同時に帰着。またしても遙か彼方からあっという間に追いつかれた。火口の中は遙か彼方まで見通せるので、ついつい調子よく降りてしまって、帰るときに私のように頭痛や息切れに襲われて後悔する人がいるのではないだろうか。火口の中は一番奥のキャンプ地以外には、水もトイレも何もない。

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