オオコウモリの赤ちゃん   

 国内では八重山がオオコウモリが一番観察しやすいでしょう。小笠原や鹿児島の島ではちょっと見つけにくいです(最近オガサワラオオコウモリは見易いところに出てくるようになったそうですが)。石垣島や西表島でオオコウモリのあった人は多いのではないでしょうか。夜、外を歩けばけっこう簡単に観察できます。そして八重山はオオコウモリとの距離が近いのも魅力です。一般的にオオコウモリはあまり人間を気にしないですし、街灯がこうこうとついているところにも出てきますし、車通りの多い道路沿いの木にもやってきます。南大東島では大東神社で年越のお祭りをやって太鼓をたたいたりして人間が夜更けまで騒いでいる頭上で交尾行動に励んでいました。しかしやはり八重山がオオコウモリとの距離が一段と近く、1mほどのところにやってくることさえあります。
 小浜島でも人家の庭や小中学校の校庭の木、そして電線にもぶらさがっていました。
 街灯の近くにきた個体を見ていたら、左脇の翼の下に小さな毛玉がぽこっとくっついているのを見つけました。赤ちゃんコウモリです。オオコウモリの赤ちゃんは生まれたときから毛が生えていて目も開いています。ある程度大きくなるまでお母さんのお腹の毛にしがみついて、一緒に出かけます。「ステラルーナ」の世界ですね。(オオコウモリが主人公の童話、ステラルーナを知らない人はこちら)マリアナ諸島のロタ島にマリアナオオコウモリをたくさん飼っている動物園があって、一年中子供が生まれているのですが、ここで教わった大きさからすると、生まれて一週間というところでしょうか。もともとオオコウモリはもこもこした毛玉のような動物ですが、もこもこのお腹に小もこもこがもうひとつ。お母さんがせっせとなめて毛皮のお手入れをしてあげてます。お母さんが翼をひろげて自分の翼の手入れをしているときに双眼鏡で覗いたら、ミニチュア・オオコウモリはキョロキョロとあたりを見回していました。

 今回、滞在中の3晩とも、子コウモリを観察することができました。

次のページへ

小浜島旅行記 目次へ戻る