1 久しぶりの南大東

 最終便で那覇についた。タクシーを降りると目の前の街路樹からクマゼミの声が聞こえ、ヤモリがケッケッケと大きな声でなく。暑いのは埼玉も東京も沖縄も同じだが、やはりここは沖縄である。

 タクシーの運ちゃんも知らなかった超マイナーなビジネスホテルは、一階がスーパーマーケットになっている。スパムおにぎりとゴーヤの天ぷらが二つ入ったパック、500mlのペットボトル入りさんぴん茶、缶入りのルートビアで計298円。相変わらず物価が安い。やはりここは沖縄である。

 南大東島には午前と午後の二便が出ている。翌朝午前便に乗るために空港へ行く。搭乗手続きをして荷物を預けたら、なんと追加料金を取られた。一人あたり10kgを越えると有料だそうな。1kgあたり440円。5kgオーバー(実際はもっとオーバーしている)で2200円取られた。これなら事前に郵便で宿に送っておけばよかった。荷物に重さで制限をつけるのなら、体重も一緒に含めて量ってくれないと不公平だ!私は女性としても小柄な方だから、ほとんどの客より5kg以上軽いぞ!!

新しい飛行機DH8 39人乗りのDH8にのるのは初めてである。2人席が両側にあって内装も新しくすっきりしている。昔のDH6より高いところを飛んでいるせいか、揺れも少なく、騒音も小さい(ただし飛行機の外にいるとDH6よりずっと大きなエンジン音を出していることがわかる)。風が吹いてもゆらゆら揺れるDH6も好きだったけど、航続距離850kmで大東島を往復するのは、かなり能力いっぱいというのが感じられた。

 離陸後55分で南大東島着陸。新空港に降りるのも初めてだ。南大東島はラグーンが隆起したので、島の外側が高く、中心部は平らで低い特異的な形の島だ。旧空港は中心部にあったので、着陸するときかなり急激に高度を下げていたのだが、外側の小高いところにある新空港は着陸しやすそうだ。

 空港には、今回見に行く予定のビジターセンターやその周辺の「オオコウモリの森」の計画の担当者が、ちょうど入れ替わりでこの便で帰るために来ていた。少々立ち話をする。7月20日がちょうどこのビジターセンターのオープニング行事で、出席していた人たちがちょうど帰るところなのだ。

 空港にはちょっと変なダイトウオオコウモリのぬいぐるみや、翼の前縁部に指が三本あるダイトウオオコウモリのキーホルダーやマグネットや温度計など、コウモリグッズがいろいろあった。レンタカー会社の出している観光地図にもかわいいダイトウオオコウモリのイラストが飛んでいる。われわれの自作Tシャツ(かつてつくったことがある)もここに卸していて、店頭に並んでいるところを今回初めて見た。

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