小笠原2008 母島2 コウモリってバナナを食べて血を吸うもの

 2008年5月24日 今日は宿の車を借りた。


 万年青橋あたりで試験的に移入種のモクマオウの駆除をやっている。池にはオオヒキガエルを寄せ付けないための網が張ってある。あちこちで移入種の駆除を試みているようだ。


 母島の最南端、南崎までいってみた。昔も今も先端部分は森の中を歩いていかないとたどり着けない。南崎の先端部分は、ネコ防除柵で仕切られている。この先はカツオドリやミズナギドリの海鳥繁殖地になっていて、ノネコを排除したそうだ。規模は小さいけどオーストラリアでよく見た、ある地域を囲って移入した捕食者を排除して在来種の繁殖を進める方法だ。オーストラリアの場合は、半島一つとか丸ごと囲って、空から毒餌をまくのだが、日本でネコを皆殺しにすると抵抗があるのだろう、捕獲したノネコは馴化して、本土に里子に出された。
 オーストラリアには更に、外来種のウサギが進出しないようにウサギ除けフェンスとか、家畜の補食をするディンゴの進出を除けるためのディンゴフェンスとか、大陸全体を遮るという、スケールの大きい話もいろいろあったが、手入れが行き届いていなくて、フェンスが完成する前にウサギは西に進出していたりした。
母島の観光案内所には、ノネコの目撃情報を求める地図があった。見ると島じゅう、山の中にもノネコがいるようだ。確かに集落からだいぶ離れたところで猫を見かけた。



 新夕日が丘あたりでも、森を囲ってグリーンアノール駆除の事業をやっていた。木の幹にはごきぶりホイホイのようなものがたくさん設置されていた。

こちらは在来種のオガサワラトカゲ

 この晩もコウモリの気配をチラとも感じなかったのだが、沖村園地の浜でリュウゼツランの花をチェックしていたら、こどもが「こんにちは」と話しかけてきて、コウモリを探しているというと、「オオコウモリはバナナにいるんだよ」という。でも見たことはないらしい。リュウゼツランの花の蜜も吸うんだというと、「コウモリって血を吸うのに変だ」という。バナナを食べるというのと血を吸うというのが並列してでてくるのが、小笠原でのコウモリのイメージなのだろうか

 リュウゼツランにはクマネズミはくるもののオオコウモリは全く来ない

 翌5月25日ゆり丸で母島を後にする。あいかわらずゆり丸は込んでいて、ゆっくり足を伸ばして横になるスペースもない。

 船の上からはトビウオが飛ぶのがよく見える。水面で赤い大きな魚に追いかけられて飛んで逃げているようすも見える。

前のページへ / 次のページへ

小笠原2008の目次へ戻る

世界オオコウモリ紀行の目次へ