コウモリ洞窟で水に落ちる

案内をたのんだ家balek保護区入り口の看板 ホテルから車で30分ほどのBalekという村へ行く。ここは周辺の3つの村が管理して保護区となっているそうだ。保護区の看板にオオコウモリが飛んでいる。看板の向かいの家に車を入れ、Jasonがなにやら交渉に行く。このあたりの家は高床式で、木の柱を立て竹を編んで壁として、椰子の葉で屋根を葺いてある。壁の竹が所々抜けているし、窓は空間が開いているだけで戸もガラスもないので、風が吹き抜けるし家の中が見える。破れた半ズボンと汚れたシャツを着たこの家の男の子が、コウモリ洞窟まで案内してくれることになったらしい。足元はビーチサンダルだけど、すごく身軽で足が速い。


 まずはBalek保護区の入り口に洞窟が一つある。硫化水素の臭いがするのは、火山活動があったのだろうか。洞窟から流れ出ている水も温泉ぽい臭いがする。

 パイナップルやキュウリやタロイモ、タバコが雑然と同居している畑を抜け、バナナ農園を抜けて、山道に入る。かなりきつい登りだ。尾根を越えると緩やかな下りとなる。このあたりはなかなかいい熱帯雨林だ。40分ほどして洞窟に着いた。入り口が狭く急に落ちこんでいる。洞窟は2つの方向にのびていて、最初に入った側は小さくて何もいない。足元には水が流れている。もう一つの側に入ると、床面をかなり盛大に水が流れている。壁にへばりつくようにしてはいると、小さいコウモリが飛び交っている。懐中電灯を向けると天井にもとまっている。最奥部まで後少しというところで、流れを横切る必要が生じ、飛び石が結構離れていて転びそうな予感がしたので私はあきらめてそこで待つことにした。夫とJasonは奥まで行って写真を撮っている。案内役の男の子も水の中をジャブジャブ歩いていってしまったので、真っ暗な中に取り残される。

洞窟にいたコウモリ たっぷり10分以上写真を撮りまくって戻ってくる時に、夫が滑って水に落ちる音がした。靴がびしょぬれになったようだが、カメラは無事で良かった。顔がよくわからないが、写っているのはマギーカグラコウモリだろうか。

 帰りは緩やかに下って道の下の方に出る。鳥の声があちこちに聞こえ、適度に大きな木もあるいい熱帯雨林だ。

鰻が餌をとりにやってくる 車を止めた家に戻るとウナギを見るかと聞かれる。すぐ近くを流れる小川で、ホテルから持ってきたベーコンのようなものを案内人の男の子が水中に入れて振ると、1mはあろうかという大きなウナギが何匹もやってきて、手から餌をもらっていく。ウナギは硫黄の臭いがするので食べないそうだ。

 帰りの車の中でオオコウモリの話をする。Jasonは日本からのお客はマダンのオオコウモリを見ると、こんな大きなコウモリがいるのかと、びっくりするという。日本にもオオコウモリは2種いるけど、日本で見たことある人はそんなにいないだろうし、日本にオオコウモリがいることを知っている人も少ないんだろうな。

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