国際電話

機長のアナウンスは、現地は曇り、気温は摂氏30度であるとだけで、特に変わったことがあったとは言ってなかった。7時間15分のフライトの後着いたクアラル ンプール空港は、特に支障なく動いていた。飛行機を乗り換えてランカウイに向かう頃はとっぷり日が暮れて、窓からのぞくと海の上を飛んでいるのか真っ暗だ。賑 やかに光りが見えるところは、ペナン島かなと思っていたが、もしそうなら、その頃下は大変な状況だったはずだ。

レンタカーを借りて前回と同じトロピカルリゾートへ向かう。街路樹にカポックの実がたくさんぶら下がっているのが目立つ。この仲間のトックリキワタは沖縄でよ く街路樹として植えられており、年末に咲くピンクの花はオオコウモリの大好物だ。 トロピカルリゾートのオーナーは何も言わなかったし、食堂に行ってもマレーシア語がわからないので、何も気がつかずにそのまま眠りについた。
トロピカルリゾートの猫たち前回トロピカルリゾートでは、11匹猫を飼っているといっていた。「今でも11匹いるの?」と聞いたら、「9匹!」2匹はどうなっちゃったんでしょう。

この日ご飯を食べに来たのは、7匹しかいないようだけど。

12月27日朝7時50分、のんびり寝ていたら携帯電話が鳴って目が覚めた。 トロピカルリゾートは電話が無くていろいろ不便だったのは前回の旅行記に書いた通りで、今回は別のホテル二つに、一カ月前に問い合わせをしてみたのだが、年末年始はすでにいっぱいだという。あきらめて同じ宿にしたのだが、前回は途中からわれわれしかお客さんがいなかったこのトロピカルリゾートでさえ、来てみたら満員になっていた。

ということで、通話料が非常に高いのだが、今回は携帯電話をレンタルしてきたのだ。ところがこの携帯、一つのボタンのどこを押すかで機能が異なり、またしっか りボタンを押さないと反応しないようで、寝ぼけ眼ではまごまごしているうちに電話が切れてしまった。

とりあえず100mほど先の海まで行って砂浜を散歩する。海に入って投網を打っている人がいる。

再び携帯電話が鳴るが、再びもたもたしているうちに切れてしまう。

カノコバトがディスプレイしている。その他にチョウショウバト、チャガシラハチクイ、シマアカモズ、カバイロハッカ、アカメチャイロヒヨ、リュウキュウツバ メ、チャノドコバシタイヨウチョウ。海岸沿いを近くの河口湿地までいくとイソシギ、ササゴイ、シロガシラトビ、カワセミもいる。

また携帯電話が鳴る。三度目の正直でやっと電話に出ると、夫の両親からだった。昨日のお昼津波があって、ランカウイでも1人死者が出ているというのだ。 津波?地震?それはどこの国の話?ここはそんな様子は全然ないよ、と腑に落ちないまま電話を切る。

次のページ

ランカウイ再び −− 津波のあとに の表紙に戻る

世界オオコウモリ紀行の表紙へ