日本の民話・言い伝え

こうもりの二心(ふたごころ)山形県

獣と鳥が戦争をしたときに獣が優勢の時はおれは獣の仲間だといい鳥が優勢になるとおれは羽を持ってるし空を飛ぶ。おれは鳥の仲間だと鳥に見方をした。そのうち講和が成り立って仲良くなったら、両方から毛嫌いされて「お前なんかおらほうの中までない」と言われ、獣は夜に出歩き、鳥は昼に空を飛ぶことにしたので、こうもりはその合間の夕方、ちょっとの間巣から飛び出して虫を食うようになった。

日本の昔話 下 (1999)編者稲田浩二 筑摩書房


コウモリの俗信

俗信とは予兆・占い・禁忌・呪いに関する生活の知識や技術で、主に心意にかかわる伝承。(日本俗信辞典動物編 鈴木棠三とうぞう角川ソフィア文庫 文庫本解説 より)

夕暮にコウモリが飛びまわると明日は雨(秋田)
コウモリが家の中に入ると凶(福岡)
コウモリの黒焼きは血の薬になる(長野)
脊髄にはコウモリの黒焼きがよい(和歌山)
コウモリの生血をたびたび塗ると毛生薬として効能がある(高知)
コウモリの糞は眼病に効く(新潟)
血止めにはコウモリの巣をつけると治る(秋田)
難産の時はコウモリで腹をなでると早く産む(北海道)
などの民間療法がある。


アイヌの人々は、動植物や自然現象などのあらゆるものにカムイ(神様)が宿っているという世界観を持っており、悪魔や病気を遠ざけるコウモリの神、カッパカムイを崇拝していたという。

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