世界のコウモリ民話・神話・迷信・絵画など

人は視覚に頼っているので、暗いところは苦手だ。足元がおぼつかないし、人目が届かずに犯罪が多くなる。そんな夜に活動し、われわれには姿さえよく見えないコウモリなどの夜行性の生き物に恐れを抱くのはもっともだ。西洋ではコウモリは恐れ嫌悪迷信の現れで、お化け屋敷の絵には塔や窓からコウモリが出てくる。コウモリは魔女の使い魔でもある。14世紀のフランスでは家の周囲にコウモリが多いという理由で火あぶりになった女性がいたという。Wool of bat(コウモリの毛)はシェークスピアのマクベスで魔女が煮ている材料である。コウモリが家の中にいると悪いことが起こるとか誰かが死ぬという説はアメリカやヨーロッパのあちこちにあるようだ。

多くの文化において、洞窟は冥界への入り口と考えられており、コウモリは昼と夜が混ざり合う黄昏時に洞窟から姿を現すことが多いので、 冥界や死者と結び付けられることも多い。ギリシア神話でも冥界に通じると信じられていた洞穴があり、夜にそこを下っていくと冥界入りができる(ギリシア神話の頁)。マヤ文明では暗闇に支配された洞窟に住み地下の冥界を象徴するコウモリは、地域全体で崇拝されている。特にコパンではコウモリの横顔が紋章文字の主字(王の政治的領域を表す文字の一番大きな部分)となっている。
ハロウィーンには、死者や冥界の精霊が地上に戻ってくると信じられているが、コウモリがよく登場するのも、その仲間だと考えられているのだろうか、デザイン的にはJack-o'-Lanternの方が映えるようで、負けているが。

またコウモリは哺乳類なのに翼があって空を飛ぶことから、鳥との違いや共通点を説明する物語や、どっちつかずの曖昧な動物とか都合のいい方の仲間になる狡猾な動物のように扱われていることがある。イソップ童話には、この鳥とも獣とも言いがたい曖昧さをテーマにした話が2つある。いっぽうネイティブアメリカンの言い伝えにも、鳥と獣が球技で勝負する話がある。

西洋文化

ギリシア神話

ネイティブアメリカンの民話

チスイコウモリ伝説

イソップ童話

マヤ文明

その他世界各地の民話

日本の民話、言い伝え

日本の絵画に見るコウモリ

室生犀星のコウモリ

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