バードウォッチング・クルーズ

 以前はレッドミルハウスのWebにメールを送ると、Chris Dahlbergさんというナチュラリストのところに行き、彼がレッドミルハウスの予約をしてくれた。このクリスさんの行う朝のバードウォッチングクルーズが、今回の旅行の一つの目的でもあったので、前日宿の主人に電話で予約してもらう。ケアンズではあまり感じなかったのだが、実はここデインツリー村に来てから、オーストラリア英語が聞き取れなくてかなり苦労していて、とうてい自分で電話する自信はなかったので助かった。実際に後であって見たら、クリスさんも典型的なオーストラリア英語だった。今まで十数回の海外旅行は常に個人旅行で、旅行者としてならなんとかやれるくらいには聞き取れていたし、かなりなまっているオーストラリア人の英会話の先生にも教わっていたのだが、実際にこういった小さな村に来てみると予想以上に聞き取れなかった。

 朝5時20分に主人にノックで起こされる。お隣の部屋にいる夫婦も一緒である。このお二人が多分レッドミルハウスのお客第一号なのだろう。

 6時にクリスさんがレッドミルハウスに顔を出して、船着き場に行くようにと声をかけていく。ツァイスの双眼鏡をかけていた。

 集まったのは8人、クリスさん自身が操縦する小さな船に乗ってデインツリー川を出発する。船着き場のすぐ向かいにAustralian darterというウがとまっている。まずは船をそちらへ近づけてじっくり観察してから川をさかのぼる。Wandering Whistling duckの群れやクロトキが飛んでいく。
 川沿いにつり下がって咲く白い花が見られる。Queensland tube-nosed bat(和名はなぜかロビンソンテングフルーツコウモリ)という花蜜食の小型オオコウモリがやってくると、われわれに向かって話しかけてきた。クリスさんとは事前にメールで話しているので、われわれがオオコウモリが好きなことは知っていて、近くにメガネオオコウモリのコロニーがあることも教えてもらっていた。

 Large-billed Warblerが水面に張り出した枝に巣をつくる様子を、船をとめてしばらく観察する。近くの枝から「ポポン、ポポン」という二音ずつの不思議な声が聞こえてくる。見るとレッドミルハウスの庭に巣を作っているツカツクリが枝にとまって鳴いていた。

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