1月17日
ランカウイでお世話になったランカウイ倶楽部と同じ系列のバリ倶楽部の 尾島さん、アキさんのツアーに参加する。今回参加者はわれわれ二人だけ。
カキアンバンガローまで迎えに来てくれて、ツアーの出発点ゲルゲルのお寺にいく。サロンをつけてお寺に入り、バリのヒンズー教の歴史、ヒンズー教の考え方などを聞く。お寺の入り口の絞め殺しのイチジクの木に、オオコウモリのペリットがある。
「開けゴマ!」と言いたくなるような割れ門を通って拝観する。本堂への入り口には階段があり、入るとすぐに壁があるのは、悪い神様はまっすぐにしか進めないので本堂に侵入するのを防ぐためだという。沖縄の魔物も直進しかできないので、門を入ると小さな塀「ヒンプン」があったり、T字路の突き当たりには「石敢當」という魔よけの文字が書かれているけれど、同じ発想だ。
お迎えは乗用車だったのだが、ゲルゲルのお寺で「タッチ号」というツアー用の小さなバスに乗り換えて、田園風景の中を走る。ヒンズー教には神様がたくさんいるからか、家の中やお店、車、ホテルなら各部屋の前に毎日小さなお供えをする習慣があるが、そのお供えによく入っているホウセンカが栽培されてい花を摘んでいた。
東部の山間部はRice Terraceと呼ばれる棚田になっている。おばさんが一人で脱穀をしていた。毎日のように雨が降るので、刈り取って干しておいた稲はずっしりと重い。
コンバインはおろか、千歯扱きでもない、穂の先端をたたきつけるだけのシンプル脱穀をちょっと体験させてもらった。みのっても落ちないのが長年品種改良されてきた稲の特徴だが、この稲はきれいにパラパラと落ちた。
しばらくいくと、小さな水路で何人もの人がバイクを洗っている。バリ島は車も多いがバイクも多い。それもぴかぴかにしている人が多い。バイクにも車にも神様がいて、交通安全をお祓いしてくれるようだ。
地面に置いたお供えを後ろ向きに三回ひくのだそうだ。車も狭い車庫でエンジンをかけて、前へ後ろへと動かしていた
終了後地面に放置されたお供えをイヌが漁っていた。お供えにはお米やご飯やパンが入っているのでカノコバトやシマキンパラなどの鳥の格好の餌になるのだが、イヌはエビせんべいが好みのようだ。
椰子の花茎からとるお酒アラックの蒸留所も見せてもらう。蒸留所といっても家の庭で、お酒を熱して蒸気を水で冷やす装置があるだけの自家製酒だ。蒸留しないままでも飲むが、すごく酸っぱい。
このあと織物工房を見学した後、ライステラスを見下ろす眺めのいい家でお昼にする。
途中の集落でちょうど結婚式があったのでのぞかせてもらう。新郎新婦。花婿さんもお化粧をする。
パーティには犬も顔を出していたが、会場の机におしっこをひっかけて追い出されていた。タイほどではないけれどバリ島全体に犬が多い。こうやって会場に入り込んでおしっこをひっかけても追い出しはするけど、いじめられるわけではなし、かといってべたべたと可愛がるわけでもなし、人々と緩くつながっているようだ。
披露宴会場の集会場の外では、ご馳走の子豚の丸焼きバビグリンをつくっている最中だった。火の上にかけてある4頭以外にもあと2頭が脇に立てかけてあり、大盤振る舞いである。
時々皮の焦げたところをけずって、油を塗り、絶えず火の上でぐるぐる回して焼くのは、男性陣の仕事
集落の狭い道を向こうから華やかに着飾った女性たちが頭にお供えをのせてやってきた
ツアーの車「タッチ号」は窓にもガラスがなく、布張りの天井も全てオープンに出来るバスだ。急な坂道を車で降りて海辺に向かう。東部の丘陵部は緑豊かなようで、プランテーションや二次林で、深い森という感じではない。このあたりはSnakeskin
fruitの産地なようだ。道路際でなっているのをあちこちに見かけるし、露天も出ているが、このフルーツ、ホテルでもでたが、渋くて堅くてパサパサしていて、どこがおいしいのかわからなかった。もっと熟すと変わるのだろうか。
バリ島最高峰のアグン山の麓の丘陵地帯を走り回ったのだが、あいにく曇っていて、アグン山はほとんど見えなかった。「バリ倶楽部」のオフィスがあるチャンディビーチコテージホテルに着く。ここでタッチ号とはお別れで、乗用車に乗り換える。
コテージの近くのお寺では盛大なお祭りが行われていたので、ここでもサロンを巻いてちょっと見学。