トントンミー   

 トントンミーとキジムナーという童話がありますが、トントンミーというのは沖縄でトビハゼのことを言います。ちなみにキジムナーは木の精で、童話の中ではアダンという沖縄などの南国の海岸でよく見かける木になります。 港の近くの海岸にある小さな流れの河口にトントンミー(ミナミトビハゼ)がたくさんいました。水面に平たい石を投げるとぴょんぴょんぴょんと飛んでいきますが、驚いたトントンミーはあんな感じで水面をすっ飛んでいきます。でも岸辺でずーっと静かにしているとみんなすぐそばまでやってきて、ムツゴロウに似たユーモラスな出目の顔を見せてくれます。

 自分の体長くらいある真っ白い大きなハサミを振り回しているのはオキナワハクセンシオマネキ。甲羅も白地に黒い模様が入っています。雄は片方のハサミが大きいのですが、左が大きいやつと右が大きいやつがいました。どっちって決まってないんですね。二匹が近づいて向き合ったかと思うと、ハサミとハサミをぶつけ合って片方が何十センチかはねとばされました。この勝負決着があったようです。

 小一時間も観察して過ごしていたら、「津波警報が解除されました」という防災無線が入りました。これは「地震と津波警報」のページと同じ日の数時間後のことです。完全に忘れていましたが、津波警報中に、海岸のすぐ近くでずっと過ごしていたのですね。島内はみんないつも通りの生活をしていて、避難する人もいないので忘れていました。(TheEnd)

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