6 車が止まった
突然エンジンがぱたっと止まった。ちょっと休んでからスターターをまわすとエンジンがかかったが、再び止まった。どうやらこのつぶれたパン屋さんから受けついた車は、かなり危機的状況にあるらしい。とりあえず騙し騙し宿に帰ることにした。宿で頼んだ車なのでご主人に言うと、夜までには別の車を用意してくれるという。
一休み。宿のお隣に住むNさんという生き物に詳しい方を尋ねるが、那覇に行っていて留守だという。同じ集落にある民宿の方にトンボに詳しい方が長期滞在していて、コウモリも見ているから会っておいでとオバァに言われる。今回は島の大きなイベントが終了した直後に行ったせいか、会いたいなと思っていた人たちとだいぶすれ違ってしまった。この島のガイドブックを書いたOさんも民宿に滞在していたそうだが、われわれがついた日の午後便で立ってしまった。「お会いしたかった」と行っていたという話を人づてに聞いたが。
歩いてフロンティアロードというところに行く。ダイトウヒメハルゼミは島の北東部に住み5−6月頃に鳴くものだときいていたのだけど、今年はここで今でも鳴いているという。しかしあいにくわからなかった。後で前述のトンボの人から聞いた話では、夕方のある限られた時間だけ聞こえるらしい。
フロンティアロードの終点には、オオコウモリがテーマのキャンプ場がある。テントが2張りとシャワーを使っている家族連れもいた。けっこう利用されているようだ。
フロンティアロードの途中にバナナが植えてあり花と実が生っていた。花蜜食のコウモリなら大喜びするところだけど、爪痕などコウモリ痕は見つからなかった。花からは蜜がたっぷり滴り、アリが集まっていた。