14 黒いオウム
バリデマイ国立公園の入場料は50ルピー。駐車場に小さな売店があり、通常のおみやげの他、ココデメール型の飾り物、ココデメールの実をくりぬいたボウルなどを売っている。ほんもののココデメールの実も買えるようだが、重さは20kgほどある。なお落ちた実は公園が管理しており、勝手に拾って持ち出してはいけない。
入ってすぐ、ココデメールの実の展示があった。ヤシの実というのは水に浮かんで海流で遠くに運ばれるものだが、この実は浮かばないという。たしかに両手でないと持ち上がらないくらい、ずっしりと重かった。これでは島崎藤村も感慨にふけるわけにいかないだろう(^_^)歩いている最中に頭の上に落ちてこないことを祈りたい。
雄花も展示してあった。この島のガイド本にはthe
Long thick phallic inflorescenceと書いてあった(^^;が、長さは2mにもなるこれまた巨大な迫力ある花序だ。
コースは山あり谷ありで、なかなか起伏に富んでいる。ココデメールが生える山道を登り初めてすぐ、Song
birdのような高いよく通る不思議な囀りが聞こえてきた。双眼鏡で見ると、ウスズミインコ4羽ほどの群れだ。Black
parrotという名に似合わず、オウムらしくないスマートな体形で、近くをセイシェルルリバトが飛び交っているのだが、飛んでいる姿もハトに似ている。おまけに果実を食べている。果実食なのだ。
ココデメールを頭に乗せた人たちが、数人降りてきた。おみやげやで販売するのだろうか。少人数の自然観察のツアーが後ろからやってきた。ガイドは「雨が上がって日が照ってきたからウスズミインコがよく鳴くようになった。君たちはラッキーだよ。」と言っていった。
もっとゆっくりしたいのだが、なにしろ55分後にはタクシーが迎えに来る。19.5ヘクタールの敷地の、ほんの数%を覗いただけで時間になってしまった。