オイスカ

 パプアニューギニアの元旦だ。10時頃ホテルを出発する。オイスカまで内陸に向かって40分ほどのドライブだが、道はしばしば大穴があいている。あまりにも道がでこぼこなので、わざわざ路肩の舗装してないところを走るときもある。途中はずっとカカオとバナナのプランテーションだ。高床式の竹を編んだ壁と椰子の葉で葺いた屋根の家があちこちに見られる。庭には椰子の葉葺きの小屋が時々見られる。壁は下半分だけ竹を編んであるが、近所の人たちが集まって道行く人を眺めながらおしゃべりするのだ。この光景はアメリカンサモアでよく見た。時々道に台を出してビンロウやパパイヤを売っている人がいる。

オイスカの風景 オイスカは、アジア太平洋の国々に農業の専門家を派遣して、地域に応じた農業の改良普及をし、人材を育成する団体である。パプアニューギニアだけでなくほかの太平洋の国々からも研修生たちが来て泊まりがけで一年の研修をしている。WEBはこちら

 まったく連絡せずに突然ホテルの送迎車で訪れてオオコウモリが見たいというわれわれを迎えてくれた日本人スタッフのOさんは、それでも研修生に聞いてくれた。オオコウモリのよく来る木を、知っている研修生がいたようだ。トラックの運転席に乗るように言われる。ほかに二人ほど荷台に乗っていく。日本に研修に来たことがあるので、日本語が話せる人もいる。

 研修センターのすぐ目の前の家にトラックは止まり、家の人にあいさつをして庭を通り抜けて崖の上に出る。目の前の谷間の向こうにある尾根に一本だけ突き出た木に、30頭ほどがぶら下がっている。これまたオオコウモリのなる木である。オオコウモリはよほど目立ちたがり屋なのだろう。なかなかいい光景だが、ちょっと遠すぎるのでぐるっと回り道して近くまで連れて行ってくれるという。ここの家の主人とその息子と思われる若い男性をトラックの荷台に案内に乗せていく。

 敷地を通らせてもらう再び他人の家に車を止めてあいさつをしながら通り抜ける。このあたりの典型的なつくりの家で高床の下の日陰に家族はくつろいている庭にはかまどとトイレがある。子供が子豚を抱えている。

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