ポートモレスビー

 パプアニューギニア最後の日である。朝4時に起床して、中庭のオオコウモリが騒いでいるのを観察する。空港への送迎バスは6時発である。滞在中他のお客さんとはあまり顔を合わせなかったのはダイバーが多いので行動が違うからだろうか、どこから現れたのか日本人と白人がマイクロバス二台の補助席までぎっしり詰まって出発。30分弱で空港に着く。飛行機は少々遅れて7時半をまわったころに離陸。一時間で首都ポートモレスビーのジャクソン空港だが、空港上空は雲が厚くたれ込め、飛行機がひどく揺れて着陸。ついたら土砂降りの雨である。傘など誰も持っていないので、空港職員が飛行機の出口で一人一人に傘を渡して、屋根のある渡り廊下まで歩く。更に廊下の端から空港ビルに入るまでも傘を渡すので、全員移動するまでにすごく時間がかかった。

 いったん国際線のターミナルでチェックインをするが、出発は午後1時45分である。国際線のロビーは閑散として、食事をするところもないので、カフェのある国内線ターミナルに戻る。空港敷地内のいたるところでたむろしている現地人がいる。国内線入り口には、マダンのスーパーマーケットと同じで警備員が何人も立って、入る人をチェックしている。追い返されている人もだいぶいる。搭乗券を見せて入っていく人がいるが、われわれは国内線に乗るわけではないので持っていない。なんと説明したらいいのかと思ったが、ここでも一目瞭然に観光客の外見をしたわれわれは、何も言わずに通してくれた。

 カフェにはめずらしくインスタントでないコーヒーがあるが、一杯3.18キナはたとえばホットドッグロールが1.43キナなのと比べて高く感じる。この国内線ロビーにある売店は、いわゆる観光みやげはほとんどなく、中国製の洋服、時計、バッグ、サングラスと実用的なものばかり置いてある。地方に帰る人が買っていくのだろうか。お店の入り口にも警備員がいる。

 両ターミナルの間には、国内線の近くと国際線の近くにそれぞれ売店があってスナックを売っている。国内線側はたむろしている現地人が多くて少々近づきがたいので、警備員の詰め所の前でもある国際線側のお店で昼食を買う。歩いていたら、脇を歩いていた夫に突然体をひっぱられた。斜め後ろからきた男性が、われわれの後ろを横切りながら、私のショルダーバッグに手を伸ばして触っていったという。あわよくばひったくれるかと思ったのだろうか。

 国際線ロビーに戻る。やっと待合室が開いて中に入れるようになる。ここは免税のおみやげなどもある。日本人の観光客が「買い物したいんですけどKって書いてあるのはどういうお金なんでしょう」と聞く。その国の通貨を知らないとはどういう旅行をしているのかと一瞬思ったが、ここはケアンズからの飛行機があるので、乗り継ぎの人だったんだろう。パプアニューギニアは週に一便しかなくて、冬休みはまだ数日あるのに日本に帰らなくてはならない。ケアンズ便がとれたらBat hospitalにでも寄っていきたいと思っていたのだが、あいにくケアンズ−成田がとれなかった。

 ということでいろいろと未練を残したままパプアニューギニアの旅は終わった。

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