もう一つのコウモリ洞窟

夕方5時ちょっと前、コウモリ洞窟に行く船も出る、Kilimの船着き場で、「ランカウイ倶楽部」の代表である尾島さんと待ち合わせする。この会社は前回ランカウイへ行ったとき参加したマングローブツアー他、マウンテンバイクやカヤック、釣りなどのツアーを行っている。尾島さんは前回マングローブツアーに参加したときもお会いしている、マレーシア在住10年になるさわやかな若者である。


ちなみに、私がランカウイに興味を持ったのは、前回の紀行の冒頭で書いたように、ある日別の用事があって訪れたJTBで手にしたランカウイのパンフレットに、「ウミワシが飛び交う」というキャプションと共に載っていた、オオコウモリが飛び交う写真なのだが、この写真を撮ってJTPに提供したのが、他ならぬこの尾島さんだったというのは奇遇である。しかしあれを見て、ウミワシじゃなくてオオコウモリだと気がついた人が日本中で何人いるだろうか。たぶん私1人だけだろう。
(そんなもの気がついても誰も関心がないか・・・)

サラリーマンで限られた日程の旅行しかできないとき、ここにいけば確実にオオコウモリがいるという情報が手にはいるのは貴重である。例えばアフリカで確実に、ここに行けばオオコウモリが見られるというのは、ザンビアのカサンカ国立公園(ただしどのくらい広い場所か知らないので、漠然と行っても見つからないかもしれない)がBCIのツアーで見ているという記事を読んだのと、先日のフランス軍との衝突でコートジボワールの首都アビジャンがニュースになったとき、BBCニュースの中で、街中にオオコウモリ(種不明)のコロニーがあるのが画像で出た来たくらいである。

ボートで15分くらい行ったところにある別の洞窟に、上陸する。狭い入り口を這って通ると、その先は多少広くなっていて、奥の壁に30+の小コウモリがへばりついている。バットディテクターをつけてみたが、なぜか反応しない。洞窟の中を飛び回っているので、超音波を出していても良さそうだけど、よく知っている場所だから出す必要がないのだろうか。

ランカウイでは、ときどき無灯火のバイクに夜出会う。日本と違って本当に真っ暗だし、走りにくいと思うのだが、慣れた道だと平気なのだろう。超音波を使わない
で洞窟を飛び回る小コウモリも同じようなものだ。

洞窟は二階建てになっていて、上の部屋にはルーセットがいることもあるというので、滑る坂を登ってたどり着いたら、なにかが一匹飛び出したがよくわからなかっ
た。ツバメだったかも。

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