この広い空いっぱいのオオコウモリを

 午後5時30分、今朝のメガネオオコウモリのコロニーへ戻る。まだ翼をでからだを包んで休んでいる個体が多く静かだ。Helmeted Friarbirdという黒いヘルメットをかぶったようなユーモラスな鳥がやって来て"Watch out ! Watch out ! "とさかんに叫ぶ。 

コロニーから飛び立ったオオコウモリ 一時間近く待った午後6時24分、にわかに騒がしくなってオオコウモリが飛び立った。われわれが立っているのはDAINTREE川沿いの道で、目の前で川はT字型に分岐するのだが、道の上や川に沿って次々と右手の下流の方へ飛んでいく。向こうの分岐した川の方へ飛んでいくものもいる。何百頭何千頭というオオコウモリが見渡す限り飛んでいる。次から次へと飛んでいく。
 われわれの背後の森の中から、あるいは対岸からも、後から後からと新しいオオコウモリが現れて、その流れは絶えることがない。テレビで見たブラッケン洞窟のメキシコオヒキコウモリの出巣のようだが、こちらは洞窟のように出口が決まっていないので、空一面にオオコウモリが広がっている。
 6時40分、分岐した川の向こうから船が来た。夕暮れのオオコウモリの飛び立ちを観察するツアーのようだ。お客は10人。我々が立っているすぐ下まできて(川面はかなり低いところにある)髭のガイドがこちらに手を振っている。「マンゴーを食べる。」などという説明をしているのが切れ切れに聞こえてくる。10分ほど停泊して船は戻っていった。
ウォッチング船と川の上を飛ぶオオコウモリ オオコウモリの流れはまだまだ続く。目の前を通るのを数えてみた。最初の100頭、2分で500頭、むらがあるので一定しない。日が沈んで空は夕焼け。夕焼けをバックにオオコウモリが乱舞。
 7時10分、だいぶ閑散としてきた。コロニーのいた森は静かになった。7時15分を過ぎるとほぼ一段落したようで、あとは出遅れたのか集団行動がとれないのか?一頭ずつパラパラと通過するものがいるのみである。夕焼けもほぼ消えて空が暗くなってきた。ということで50分ほど続いた怒濤のようなオオコウモリの飛び立ちだった。概算すると1万頭くらいだろうか。 

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