7 元旦の結婚式

ダム湖には鳥影はなかった 元旦もどんよりとした曇り空だった。ダムに行ってみた。海岸沿いの道から少し上がると、すれ違った人たちが何処へいくんだと車を止めた。観光客がいくようなところではないので、絶対道を間違えたに違いないという顔つきであった。地図でダムを指さすとOK。アオサギ、シラオネッタイチョウ、シロアジサシ、チョウショウバト、カバイロハッカなど、特に変わったものなし。

 海岸通りに戻ると、教会から着飾った家族連れがたくさん出てくる。ビクトリアの街中はさすがにお店がほとんど閉まっていて、閑散としている。イスラム寺院が街中にあるのだが、この周辺だけたくさんの人がたむろしていた。ここもミサ(なんていうのだろう)があったのだろうか。あちこちにある小さな売店はいつも通り開いているので、お昼代わりにスナックを買う。手作りっぽいチョコレートケーキを切り売りしていたり、キャッサバのチップスなんてのもある。こういう完全に地元の人向けのお店に入って英語でしゃべっていると、日本人とは思われないことも多い。マレーシアから来たのか、と聞かれた。すれ違った子どもに「中国人(たぶんそういう単語だったと思われる)」と言われたこともある。

 植物園の奥の、オオコウモリのいる熱帯雨林の斜面の下の方に東屋がある。われわれは下の芝生からオオコウモリを観察していたのだが、この東屋では結婚式のパーティをやっていた。たいして広くないのだが、花とヤシの葉で柱を飾り、小型トラックでイスを運び込んで、着飾った人たちがたくさんの人が集まっているのが見える。ギターを弾いて歌を歌っているのが聞こえる。外に出てみんなで写真を撮っているのも見える。元旦に結婚式というのもなかなかしゃれている。

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