空飛ぶ風呂敷

ビジターセンターの上をヒヨケザルが飛んだ 20時 梟らしき声がする。ポー ポー ポー ホゥッ ホゥッ ホゥッ

 20時10分 ビジターセンターの前庭で、後ろの保護区の斜面を眺めていると、森の上空に、突然巨大な五角形の風呂敷が浮かび上がった。ヒヨケザルだ!

 将棋の駒のような形で、ムササビより薄い皮膚でできた翼(?)をしている。まるで空飛ぶ風呂敷だ。ビジターセンターを越え、頭上を通過し、駐車場を横切り、駐車場の向こうの木立へと消えていった。ゆうに100mは滑空としただろう。ムササビの滑空は木から木へと飛び移っているというイメージがあるのだが、こいつはグライダーのごとく楽々と空に浮かんでいた。

 21時10分 ビジターセンターの近くでもう一度近距離を飛ぶ。とまったはずの木を見に行くと、センターから職員が何人か出てきて、もう遅いから登るなという。保護区の中に入ろうとしていると思ったらしい。そこに夕方ヒヨケザルのことを教えてくれた職員が出てきたので、Flying lemurが飛んだというと、懐中電灯を持ってきてあちこち木の上を照らしてくれる。あいにくどこかへ行ってしまったらしく見つからなかった。今夜の長距離飛行は一回だけと見える。

 帰りは通りに出てタクシーをひろう。シンガポールで一番困ったのは、地名の発音がアルファベットの綴りから想像するものとまったく異なり、通じないこと。Buona Vistaという駅に行きたいのだが、最初のタクシーは何度いっても通じなく、地図で指し示してもわからないという。(日本語のガイドブックの地図ではあるが、地名はアルファベットでも書いてある)二台目のタクシーは何度か言い直してやっと通じた。

前のページに戻る次のページに進む

シンガポール旅行の目次へ

 オオコウモリ旅行のトップページに戻る