嫌われるオオコウモリ ニューサウスウェールズ旅行記 29

メルボルン植物園のハイガシラオオコウモリ 1月4日、再び植物園に。突然コロニーに看板が出現。内容はコウモリの害がひどいので、現在コロニーを移動させることを計画中であること、日付は昨年11月になっていたが、昨日はこの看板はなかった。途中3行が覆われているので、この部分を隠す作業をどこかでしていたのだろうか。隠してあるとつい見たくなるのが人情で、かすかに透ける字を解読したところNow the alternative roost site is being established eight kilometer・・・途中不明・・・for the flying foxes.代替サイトはまだ、議会だか関係省庁だったかあるいは住民の同意だったかがとれてなかったと思うが、それがまずかったのかな。

オオコウモリの写真を撮っていると、通りかかる人たちが話しかけてくる。「気をつけて、糞が落ちてくるから」「臭いよ」なかには鼻にハンケチを当てて通り過ぎる年配のグループもあった。

お昼頃、植物園のガイドツアーの一つ、アボリジニ文化WALKが来た。ガイドはブーメランを投げるジェスチャーをして見せて、こうやってとるんだという説明をしている。花粉や花蜜を食べているのでオオコウモリは甘いそうだ。有料ガイドウォークを少し離れたところから盗み聞きしているので、聞き取れないところもあったが、オオコウモリの脂には虫よけの作用があって、マラリアを防ぐともいっていた。これは初耳である。しかしオオコウモリ脂ってどうやって採取するんだろうか。ガマの脂みたいにたらーと落ちてくるのかな。

植物園のインフォメーションでオオコウモリについて聞いてみたのだが、ブースにいたお姉さんは、"They are not supposed be here"と力説した。夏がとても暑かった年に、ここで子育てをして、それ以来住みついてしまったが、本来はもっと北のクイーンズランドやノーザンテリトリーにいるべき動物で、彼らを追い返すことを考えている。という。それは違うぞ、クロオオコウモリやメガネオオコウモリは北の方に住んでいるが、ここにいるハイガシラオオコウモリは、お隣のニューサウスウェールズ州で繁殖しているからこの辺まで南下するのはそんなに不自然ではないし、Endangered spaciesに認定されようとしている貴重種ではないか、と思ったのだが、このお姉さんかなり気負い込んで喋るので、オーストラリアのオオコウモリの知識そのものは私の方があると思うけど、口を挟むのはやめた。

ともあれ植物園スタッフも利用者もオオコウモリは嫌いなようだ。

前のページへ次のページへ

ニューサウスウェールズ旅行記 目次へ

世界オオコウモリ旅行の目次に戻る