植物園の野外活動 ニューサウスウェールズ旅行記 28

楽しい川辺の公演のようす 芝生で座っているとコクチョウの親子が物欲しげにやって来た。ハイイロフエガラスが「クラング クラング」とリズミカルに鳴く。止まっているスプリンクラーに水が溜まっている。見ているとカノコバトが来て水を飲み、そのまま蛇口に座り込んでしまった。クロウタドリが「飲んでもいい?」とでもいうようにおずおずとそばに来ると、翼を片方もちあげて威嚇する。クロウタドリはそのまま歩いていってしまったが、次に来たイエスズメにはカノコバトが場所を譲った。Don't feed the birdsの看板があるが、この手の看板には、その理由が詳しく書かれているのが印象的だった。ただし、実際は野鳥に餌をやる人も多い。満腹したのかギンカモメやオーストラリアメジロガモは休んでいる。

 夏休み中のメルボルン植物園では、昼間は一日二回子ども向け劇「楽しい川辺」が芝生で上演され、夜はシェークスピアの野外劇場があり、映画会もある。楽しい川辺はミュージカル仕立てになっていて、覚えやすいメロディなので、午後の2回目公演の頃には私の頭の中では音楽が鳴っていた。毎回完売なのか、かなりの親子連れが集まっている。遙か遠くから見ているのはひょっとして券がないのか。

 夜8時、野外映画会場の近くにあるコロニーから、数頭のオオコウモリが空を旋回し始める。今夏のメルボルンは誰に聞いても異常に寒いようだ。レンタル毛布が人気が集まっている。映画はまだ始まってないがかなりたくさんの人が入って、芝生で飲んだり食べたりしている。売店ではお酒も売られているようだ。

 9時ちょっと前からオオコウモリが出発する。決まった方向に流れるのではなく、四方八方に飛んでいく。空はまだ明るい。映画会とシェークスピア劇は夜遅くまでやっているのだが、その他の部分の植物園は9時で終わりである。駐車場に向かうと、あちこちの木々にオオコウモリがいるのが見える。公園内で採餌するものも多いようだ。ワラビーのようなものが道を横切っていった。

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