Moonlight canoe ニューサウスウェールズ旅行記 9

 7時35分、カメラの用意をしてモーテルを出る。ひょうきんなヨコフリオウギビタキがモーテルのドアの前で踊っていた。

 ベーリンジェン島の数十メートルほど先に橋がある。島とは対岸になる橋のたもとが広い草地になっていて島が見渡せるので、車を止めて川岸にいく。リュウキュウツバメの群が川面を飛び回る。

 8時ちょっと前、オオコウモリがパラパラと飛び始める。かなり向こうで川面に大きな水しぶきが上がった。どうやら川に飛び込んだやつがいるらしい。写真で見るとお腹を引きずりながら川面に平行に低く飛んでいるようなのだが、水に腹がつくときは思ったよりかなり大きな水しぶきが上がる。

canoeのツアーは何種類かあるようだった と、突然カヌー10台ほどの集団が橋の向こうからやってきて、われわれの目の前にくる。オオコウモリはますます増えたが、カヌーのせいもあって、われわれが立っているあたりはあまり来ない。

 草地の入口に4WDの車が止まった。大柄な女性が黒い小さな犬を連れてこちらにやってくる。Webの写真で見たVivienさんだ。この小さな町で東洋人は他にいないから、われわれは見間違えようがないのだろう、まっすぐこちらに歩いてくる。

 挨拶を交わしている間にもオオコウモリの数はますます増える。上空を流れるように途切れなく飛んでいく。川に飛び込むものも増えて、だんだん目の前で飛び込むやつも出てきた。なかなか迫力がある。カヌーの集団が目の前を行ったり来たりすると、そのあたりだけ川に飛び込むオオコウモリが途切れる。

Vivienさんによると、カヌーの集団は今日初めて見たとのこと。自分がこの町でオオコウモリの宣伝をしてきたので、金になるかもしれないと思いついた人がいるようだという。後で街中でMoonlight canoeのチラシを見たが、満月とオオコウモリを楽しむ体験カヌー教室だったようだ。

 

前のページへ次のページへ

ニューサウスウェールズ旅行記 目次へ

世界オオコウモリ旅行の目次に戻る