キンカジューはKinkajou

 6月5日朝4時に起きてみた。まだ外は真っ暗だ。庭にバシリスクがいる。20kHzで飛ぶコウモリがいる。バスが聞こえないのは昆虫食でないのだろうか。40kHzのコウモリもいる。4時半頃ホエザルが吼え始めた。鳥も目覚めたようでハチドリが庭の花にやってくる。蚊も目覚めたようだ。蚊取り線香をたきながら部屋の前のテラスでバードウォッチングする。

 朝ご飯に行くとフロリダから来たという年配の男性が一人で食事をしていた。アメリカでは健康保険が破綻して医療費が高いので、歯のインプラントに来ているそうで、あと一ヶ月いるという。コスタリカには長く住んでいて植物学の学位を持っているそうだ。

 中州には相変わらず10頭のシロヘラコウモリがバナナの葉の裏にねぐらをとっている。足下をハキリアリがペリットのような物を運んでいるのに気がついてあとをたどっていくと、一面にペリットが落ちているところがあった。植物食コウモリのフィーディングポイントである。夜来れば採餌しているところが見られるのだろうけど、橋の向こうの中州やトレイルは夜は立ち入り禁止である。

 帰ろうと思って吊り橋の階段まで来ると、昨日ヘビとシロハラコウモリを教えてくれたスタッフが、イグアナが木で交尾をしているのを教えてくれた。

 昼食にはからりとあげたおいしい芋が出てきた。食堂のスタッフもスペイン語しか通じないようだが、芋の名前はヨカ(ユカ?)といっていた。

 午後から大雨が降ってきた。雨のよく当たるところにとまったハチドリが、翼を広げて時々ブルブルとふるわせている。雨浴びである。

 コウモリに詳しいMelquiさんにトルトゥゲーロで撮った写真のコウモリの名前を聞き、コウモリの話を聞く。昼間拾ったペリットも見せるとやはりフルーツバットのペリットだという。ペリットを出すかどうかはコウモリの種にも寄るし実にもよるそうだ。胡椒の実などはむしゃむしゃ食べて糞に種をだすそうだ。

 夜はMelquiさんが紹介してくれたガイドの卵セルジオさんという若いスタッフにトレイルに連れて行ってもらう。夜7時に出発。夕方の大雨のせいか川は増水している。トレイルをぐるっとまわった後、帰るときに橋の上から中州の木に懐中電灯を当てると何か動く物が見える。「キンカジュー」だという。頭の中に「金華獣」という時が浮かんで、セルジオさんの英語に少々難があったせいもあって、それはいったい何語だろいうと思ったが、辞書をひくとKinkajouと書いてある。アライグマの仲間らしい。

 ロッジに戻って事務室で捕獲したコウモリを見せてもらった。Myotis(ホオヒゲコウモリ)の仲間だということしかわからないようだ。

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