Des Voeus Peak 頂上へ

頂上近くを歩く タイワンツグミもキバラモズビタキもよく囀る。藪の中ではフィジーの固有種ビロードムシクイが飛び回っている。赤と黒の鮮やかな小さな小鳥はポリネシアサンショウクイ。サンショウヒタキも姿を見せる。キバシオオミツスイは大型の地味な色のミツスイ。フィジームシクイはホーホケキョととウグイスのように鳴く。録音機能付きのデジカメを買ったので、試しに録音してみた。

 長袖シャツを二枚と雨具の上着を着込んでいるのに寒い。さすが標高1195mの山である。セイキヒノマルセイコウチョウという長ったらしい和名を持つRed-headed parrot finch ♂は、緑色の体に頭が鮮やかに赤く、道に降りて草の実を食べている。

 そして一瞬鮮やかなオレンジ色の姿を見せて道路を横切ってくれたのは、フィジー固有種オレンジバトの♂。じっくり見ることができなかったのが残念。

 2時間くらい歩いただろうか。ここらで引き返すか、それとも頂上まで行くかとガイドに聞かれる。行けるものなら行きたいと答えると、Anything is possibleとの返事で、更に歩き続ける。頂上のテレコムのアンテナが見えてきたが、ここから道は急に険しくなり、暑くなってきた。朝のコーラスの時間を過ぎたのか鳥の声も少なくなり黙々と上ること一時間、やっと頂上についた。

 細かい霧が流れてきたがすぐに晴れ、見事な景色が開けた。森の中にカルデラ地形の湖が見える。幻の花タンギモウジアが咲くタンギモウジア湖だ。10−12月の花のシーズンに行ってみたい。海の向こうにはお隣のバヌアレブ島も見える。

 30分ほど景色を楽しんで下山する。途中でガイドたちは、根が黄熱病に効くという植物を二本採集していった。10時半ちょっと前にゲートのところまでたどり着く。われわれがいつ降りてくるか予想できるはずはなく、当然迎えの車はいない。どうするのだろうかと思っていると、5分もしないうちに乗り合いタクシーが現れた。いったいどうしてこういう絶好のタイミングで来られるのだろうか。

 ともあれ車は途中の集落でガイド二人をおろし、便乗する住民をあちこちで拾っては下ろして11時10分、ホテルに帰り着いた。この便乗システムはどうなっているのだろうか。タクシー代はわれわれがあとでツアー代金としてホテルで支払うはずだが、誰かが車を雇ったら、誰でも便乗していいという暗黙の了解があるのだろうか。
タンギモウジア湖
頂上からはタンギモウジア湖が見える

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