小笠原2008 父島2 静かな島に突然体育会系若者が

 5月27日、自衛隊の船「おおすみ」が入港した。東京港竹芝桟橋と父島二見桟橋を結ぶ「おがさわら丸」は、だいたい週に1回往復していて、同じ便で行って帰る観光客が多いので、「おがさわら丸」が東京に向かっているときの父島は静かだが、突如、体育会系風の若い男性があふれて、公園でバーベキューをやったり、レンタルバイクを借りて連なって走っていったり、レストランで談笑していた。

 夜6時、島の自然に関心があるメンバーが、オオコウモリのねぐらのカウントをやるというので、参加する。何カ所かに分かれてねぐらから飛び立つ個体をカウントする。われわれが立っていたところでは6時19分から7時までの間にのべ7頭が飛んだ。ねぐらから飛び出したのは、そのうちの2頭かと思われるが、上空を旋回して飛んでいるようだ。

 このあとメンバーが奥村の飲み屋で懇親会を開いてくれた。島の自然を愛する人たちの集まりで楽しかったが、ここでも自衛隊グループが賑やかに盛り上がっていて、少々騒がしかった。

 翌28日夜、オオコウモリを見に夕方でかけたら、外灯にものすごい量の虫が集まっている。どうやら今夜はシロアリの結婚の日だったらしい。半端じゃない量が飛んでいる。

外灯の下には、そのシロアリを食べに来たオオヒキガエルがたくさん待機している。夜型のイソヒヨドリも一羽混じってさかんに食べていた。シロアリは島中で発生しているようで、車で走っているといたるところに食べに出たオオヒキガエルがいて、轢かずに走るのが難しい。オオコウモリを観察していても、首筋についたシロアリがそのままTシャツの中に降りていったりして、うっとおしい。宿に帰って洋服を払ったら、2匹落ちた。

 宿の部屋は豆電球をつけた状態ででかけていたのだが、電気をつけっぱなしにすると換気扇などからシロアリが入り込むことがあるそうだ。

 5月29日、いつもの道路沿いのサイザルアサを見ていたら、8人のマルベリーのナイトツアーがきた。ちょうどいいタイミングでオオコウモリが少なくとも3頭、声からするともっといると思われる。しばらく写真を撮るのは遠慮する。

 1時間くらいしてオオコウモリはどことなく姿を消し、マルベリーのツアーが立ち去った後、7人のツアーがくるがあいにくオオコウモリは見られなかった。今夜は他ではオオコウモリは見なかった。

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