フランスパンを食べるオオコウモリLa roussette ニューカレドニア紀行

 今から14年前、南大東島でのオオコウモリとの出会いが、ただの生き物好きだった私をオオコウモリの世界に深く引き込むきっかけだった。日本のオオコウモリの生息地を大部分訪ねて島旅の楽しみも十分味わったあと、世界に目を向けるようになったのが数年前から。
 日本ではなんといっても専門的にオオコウモリを研究しているひとはほとんどいないし、保護に取り組んでいる人も、ファンさえ少ない。一方海外に目を向ければ、オオコウモリな人はたくさんいるし、空いっぱいのオオコウモリが夕暮れに飛び立つシーンも見られる。そのためには自力でレンタカーを借りて日本人など来ないところにホテルの予約をとり、各地のコウモリな人と話せるようになりたいと心底思っていた。英語の文献やメーリングリストが苦労せずにすらすら読めたらどんなにいいだろう。海外に行くたびに、言葉に不自由しなければ、もっと聞きたいことがあるのに、もっと行きたいところもあるのに、と思っては日常生活に流されて何年かが過ぎた。3年前のある日思い立って高校以来さびついた英語の勉強を始め、スランプに陥ったりと悪戦苦闘の末やっと英語ならなんとかなるという状態になって、今年の前半に最終目標を達成して、ライフワークのオオコウモリのための英語学習のひとつの区切りをつけた。

 さて、次にいく国は・・・・なぜかフランス領ニューカレドニア。オオコウモリが4種類いるのと、安全で日本から直行便があるし、まあいろいろな事情からそうなったのだが、せめて現地の人に「このへんにオオコウモリいますか?」くらい聞けるようにと出発の数週間前になってNHKのラジオフランス語講座初級編を4月号と5月号のテキストをCDを聞きながらやった。しかし私が英語を自習するときの基本は、多読・音読・精読・つん読(ん?)なので、新しい言語は、発音できるようになるまでが大変だ。4月号はCDをほんとに何十回聞いただろうか。しかしまあ5月号に入ることはある程度発音のパターンはわかってきたし、フランス語の構文もわかってきたので、結局現地でもフランス語を使うことはほとんどなかったけど、読めない表示の意味を想像したり、単語をいくつか聞き取る助けくらいにはなった。
 ちなみに昔台湾に行く前にNHKの中国語講座をやったけど4月号の途中で挫折したのでそれよりはずっとましだ。しかしあちらでいちばん役に立った単語は"rousette"つまりほとんどどこへいっても、片言の英語を喋れる人がいるので結局英語でなんとか通してきたのだけど、かなり流暢に英語を喋る人でも語彙が少ないので、「オオコウモリ」なんて予想外の単語はFlyingfoxとかBatとかいってもなかなか通じなくて結局roussetteというフランス語をいうと理解してもらえるということが多かったのだ。
 ちなみに他に学んだことがある言語は大学で第二外国語だったドイツ語、今となってはフランス語を選択した方がずっとオオコウモリ旅行に役に立ったのに。でもって名詞に性がある言語というのは、フランス語が初めてだけど、オオコウモリって女性名詞だったのだ。ニフティの会議室ではオオコウモリというハンドルネームを使っていて、男性に間違われることが多いのに。

1.森林公園へ
2.バードウォッチングの宿
3.Le Notouの一晩
4.ツリーハウスに泊まる
5.リビエールブルー州立公園へ
6.カグー
7.北へ
8.フランス領のオオコウモリはフランスパンがお好き
9.やっとオオコウモリ
10.早朝バードウォッチング
11.英語の電話が通じるとき通じないとき
12.オオコウモリのいる宿

ニューカレドニア情報でお世話になったAQUAさんのWEBです。

世界オオコウモリ紀行の目次に戻る