遙かなるコウモリ王国

コウモリ王国見晴台の入り口 ホテル周辺を散歩してみる。ハイビスカスやブーゲンビリアが咲きガーデンホテルという表現がぴったりくる。しかし今は使われていない棟がかなりあるようで、そういうところは植え込みも枯れていて寂れた感じである。かつては瀟洒なリゾート地だったのだろう。コウモリ王国は文字通りこのホテルのすぐ脇で、敷地内にオオコウモリ展望台があり、世界最大のジャワオオコウモリが何百、何千頭と群れている木が見えるが、残念ながらかなり遠い。すぐ目の前の木が何本か裸になっているところを見ると、かつては本当に目の前に見られたのではないだろうか。あちこちにコウモリ王国の看板があるが、休憩所などは荒れ果てている。

 コウモリ王国の駐車場にある売店はBat shopといってコウモリの絵が壁に描かれている。ここで鳥皮のケチャップ煮、大きな魚を筒切りにして唐揚げにしたものをライスと共に買う。飲み物も含めて170ペソ。

 ニホンザルのしっぽを長くしたような、フィリピンザルが何頭かぞろぞろとやってきた。餌をやると罰金ですという看板があったが、子供が餌をやっている。

 Hidden trailという森の中の道を降りていくと、バターン方面に向かうゲートのすぐそばにでた。道の途中に竹林がところどころにあり、縦長の孔が空いているものもたくさんある。タケコウモリを是非みてみたいものだ。板根が見事に発達した大木もある。途中でオオコウモリの声がするけれど姿は見えない。このHidden trailの入り口にある棟は、ところどころホテルの従業員かと思われる人が住んでいるが、半分廃屋になっている。猿の群がここでも見られる。シロガシラトビが上空を舞う。

 17時過ぎ。オオコウモリ展望台でプロミナを出していると、人が次々と来てはのぞいてもいいかと聞いてくる。オオコウモリ案内係となる。オオコウモリは皆静かに寝ている。17時45分、オオコウモリはまだ静かに止まっているのだが、展望台の目の前を小さなコウモリがチョウチョのようにひらひらとたくさん飛び始めた。60khzほどでFM音が入るが、体が小さいだ けあって超音波も弱い。見えているのにちょっと離れるとバットディテクターに入って こない。 世界で二番目に小さいというタケコウモリだろうか。

 空は夕焼けになっているがオオコウモリのいるところは谷間になっていて、すでにかなり暗い。18時ちょっと過ぎからオオコウモリが飛び始める。海の方に飛んでいくものも結構いる。われわれの立っている展望台の方に来るものもいるのだが、既にほとんど真っ暗だ。オオコウモリは谷間のあちこちに広くいるようだ。飛んでいく方向もさまざまだ。

 クラウンピークホテルのカフェテリアは、われわれの部屋のある棟の目の前である。食べ物の名前はわからないけどカフェテリアなので指さし注文で、魚の唐揚げ、パパイヤの炒めたもの(ココナッツ味で辛い)、ポークスペアリブ、もやしと豆腐の炒めたものとライス170pを夕食にする。その後買ったチョコレートケーキ一切れが40ペソなのが少々高く感じるが、日本でもケーキはうっかりすると食事よりも高くつくことがあるから同じか。

 19時20分、夜の散歩にでてみたが、コウモリの気配は全くない。星がきれいに見える。

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