オオコウモリ・アート ニューサウスウェールズ旅行記 24

ニューサウスウェールズ美術館の売店でポスターは直ぐ見つかった。アボリジニアートによく見られる点で構成された模様がお腹にある100頭のオオコウモリが物干しのようなものにずらっとぶら下がっているものだ。同じ柄でカードや絵はがきもあったのでついでに購入する。帰ろうかとも思ったけどどうせだから実物も見ていこうかと、インフォメーションで葉書を見せて、"Can I see this picture here?"と場所をたずねた。

現代アボリジニアートを集めた区画の一番奥にそれはあった。一目見て驚きのあまり呆然とした。絵だと信じていたので"picture"と聞いたのだが、工芸品だったのだ。木のクラフトに絵の具で彩色したオオコウモリはよく見ると一頭一頭少しずつ異なる。これが数m四方の物干しのようなものに100頭整然とぶら下がっているのだ。しばらくの間見とれていた。作者のリン・オーナスはヨーロッパ人とアボリジニの混血で、後ほどメルボルンのビクトリア博物館でも彼のコヨーテやエイの作品に出あった。

カフェに来るカバイロハッカ再び植物園に帰る。レストランは人気があるようだが、時間がかかりそうなのでやめてカフェへ。オープンエアのこのカフェは、客が立つやいなやクロトキ、クロガシラミツスイ、カバイロハッカ、ドバト、ギンカモメが次々とテーブルに上がり皿をひっくり返して残飯を漁る。ウェイターが頻繁に片づけに来るのだが、わずかなすきをぬって大急ぎで残飯を奪い取るのではずみで時々グラスや皿がテーブルから落ち大きな音を立てる。「鳥に餌をやらないでください。」と書いてあるのに年配の女性がサンドイッチをちぎって投げて、ウェイターに注意されている。目の前の木にオオコウモリがいるのだが、オオコウモリは礼儀正しく控えめである。メニューにはフルーツサラダというのもあったが。カフェで餌を漁るクロトキ

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