400万都市に棲むオオコウモリ ニューサウスウェールズ旅行記 25
オオコウモリが飛び立つのを待つ人々
シドニーの街中はさすがに有料パーキングばかりだ。単価が場所によって違うので、車を公園の裏の安いところに動かす。

シドニーの夏は暑くて乾燥している。喉が渇いて公園の売店でホイップクリームとアイスクリームがたっぷり入ったオーストラリア製アイスコーヒーを買って、コロニーの近くで時間待ちをする。芝生に座っていたら私はアリに噛まれ、夫は上から落ちてきた小枝の直撃を受けた。

午後5時頃、ハーバーブリッジの北の方で煙が上がるのが見えた。木が焼ける臭いが漂ってくる。この日シドニーの直ぐ北でbushfireがあったようだ。

6時ちょっと前、コロニーのもっと近くへ移動する。通りかかった人が時々立ち止まってオオコウモリをしばらく眺めていく。ビデオや写真に撮っていく人もいる。ふと振り返ったら直ぐ後ろをナンヨウクイナがこっそり横切っていった。太陽が高層ビルの後ろに半分隠れて薄暗くなってきた。地平線には相変わらず煙が上がっている。飛行機が煙の上を飛んでいく。

7時、オオコウモリは全然飛ばないし静かだ。キバタンやゴシキセイガイインコが群をなして賑やかに飛んでいく。

シドニーの町の上を飛ぶオオコウモリ8時ちょっと前から鳴き声がし始める。木立を飛び回るやつもでてきた。何時頃飛ぶのかと、そばで見ていた人に聞かれたので、そろそろだと思いますと答える。8時15分100頭くらいがコロニーの上を旋回する。8時25分飛び出し始めた。植物園のゲートの方へ行く一群がいる。われわれも出口まで走る。高層ビルを背景にオオコウモリがいくつかの方向へ流れていく。あいにく写真を撮るにはちょっと暗いが、大都市シドニーのビル街をバックに延々とオオコウモリが帯のように流れていく様子はなかなか壮観だった。決してうまく共存しているとは言い難いけど、400万都市のど真ん中に5000頭ものコロニーがあるってすばらしい。

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