夜のツアー ニューサウスウェールズ旅行記 15

熱帯雨林の樹冠観察路夜の7時10分、国立公園内のバーベキュー場The Gladeへつく。ヤブツカツクリが二羽追いかけっこをしている。集合は8時なので、まだ誰も来ていない。展望台から崖を見下ろすとハイイロオウギビタキが目の前でFlying catchをした。コキミミミツスイも飛んでくる。

40分頃からパラパラと人が集まってきた。7時50分、レンジャーが二人現れ、参加費6$を集める。参加者は計29人。

8時ちょうどにお話が始まった。これから1時間半の観察会を行うこと、どのコースを通るか、これから見られる可能性の高い動物の説明、雨林について、などであった。ポッサムは臭腺があって、近くにいれば臭いでわかるという。

まずはバーベキュー広場を飛び交う小コウモリを観察する。懐中電灯の明かりにガが集まってくるので、コウモリもやってくるという。エコーロケーションの説明がある。参加者から周波数について質問があった。

直ぐ目の前の森の中に入って、しばらく林床に座る。虫の鳴く声がする。明るい光を放つホタルが飛んでいる。

道路わきの木の上方で、Common Ringtail Possumが数頭動き回っていて、レンジャーの強力ライトに目が光る。茶色い姿がちらっと見えた。レンジャーは前に一人、後ろに一人。

最後尾を歩いていたレンジャーが、先頭のレンジャーを呼ぶ。Common Brushtail Possumが赤ちゃんを背中におんぶして、林床をのそのそと歩いていった。

しばらくは何もでないのでせっせと歩く。再びRingtailed possumが道路わきの木にいるというが、枝が動くだけで姿は見えなかった。

突然、一人のレンジャーの懐中電灯のバッテリーが切れた。交換する間しばらく立ち止まる。

道路わきの木の数十mの高さで、ヤブツカツクリが寝ている。ヤブツカツクリは長生き鳥だという。落ち葉を集めて巨大な塚をつくり、その中に卵を産んで、発酵熱で2ヶ月間暖めるなどという説明がある。先日(2002年2月)のNHKの「地球ふしぎ大自然」でやってた。

出発点の展望台に戻ってきたのは9時20分。今日見られたものの確認をもう一度して、この周辺の国立公園の紹介などをしている最中に、ハイガシラオオコウモリが横切った。9時30分に解散。カメラのフラッシュはOKといわれたが、しかし観察会の雰囲気を損なうような気がして、結局写真は撮らなかった。

解散後にレンジャーとちょっと話をしてみた。コウモリは全部で24種記録されていて、オオコウモリはハイガシラオオコウモリの他に、オーストラリアオオコウモリも来ることがあるという。このナイトツアーは人気があって、学校が休みのこの期間に(オーストラリアは夏休み中)12回ほど行っている。その他の学校休みにも観察会をやってるし、学校などからリクエストがあって他の季節に観察会をやることもある。

宿でシャワーを浴びるときに、透明な天井を見てみたが、星空は見えなかった。満月なのでオオコウモリでも見えると楽しいのだが。
 

前のページへ次のページへ

ニューサウスウェールズ旅行記 目次へ

世界オオコウモリ旅行の目次に戻る