どこまでもひたすら同じ光景 ニューサウスウェールズ旅行記 21
元旦は3時35分起床、4時10分再びベーリンジェン川の橋へ戻る。真っ暗な中を三々五々オオコウモリが飛ぶ。5時10分明るくなってきてセミやワライカワセミが賑やかに鳴き始める。5時15分、何頭かが川に飛び込む。コロニーに帰る前にいっぱい飲んでいくやつもいるらしい。7時に島へ、コロニーを飛び回っているやつがいる。入口のキャラバンパークにはオニサンショウクイがいた。今日も快晴で暑い。
「ロッジ241」というメイン通りに面したしゃれたカフェに行く。窓からは裏の牧場の風景が見え、さわやかな風が吹き抜けていく。天井の高いギャラリー風のインテリアだ。昨夜ものぞいたのだが、ニューイヤーイブ用のディナーをやっていて、場違いだったのでやめたのだ。ベジタリアンの朝食を一つだけ注文したら、取り皿を二つ持ってきてくれた。
今日はシドニーへ向かう日である。お店が閉まって閑散とした通りに車を止めて、カメラ用具一式をしまっていると、近くにいたヒッピー風の女性が
"You have a nice camera. By the way
do you give me one doller?" という。
"No!" というと "That's OK.
No proble" とあっさり引き下がった。
海岸沿いのPacific Hightwayを南に向かう。疎林と牧場と乾いた湿地が延々と続く。南半球は夏で太陽が高くて、道が海が見えないところを走ると東西南北の感覚もよくわからない。途中
kempsey という町で飲み物を仕入れてひたすら走る。
3時間ほど走って道ばたのドライブインでお昼にする。再び出発して30分ほど走ったところで、気のせいか聞いたような地名があったような気がした。コアラの保護区を表す看板も見たような気がした。オーストラリアの地名は外国人の私には同じように聞こえるのかなあ、コアラの看板はあちこちにあるのだろう、と少々不安になりながら更に進む。道路わきの標識が前方に「Kempsey」の町を示している。更に「Coffs
Harbor」「Brisben」まででてきた。つまりいつの間にか180度逆の方向に走っていたのだ。
冷静に考えてみればお昼を食べるときに道路の左側にあったドライブインに入った。それなのに勘違いして右折して道に出たような気がする。
30分かけてもと来た道を戻るとやはり先ほどのドライブインがあった。計1時間半遅れたことになる。このペースで夕方までにシドニーに行けるのだろうか。とにかく先を急ぐ。
しかしどこもかしこも同じ風景だ。
帰国後3ヶ月もして、ニューサウスウェールズ州政府名の封書が届いた。何かと思ったら、This
vehicle was photographed, by an approved
camera redording device, travelling in a
NORTHERLY direction at the speed of 114KPH
in a 100KPH speed zone.ということで何とスピード違反をしたから罰金を払えとのお達しである。時は2002年1月1日午後1時30分、これはまさに間違えて逆方向に向かっていた30分間のことで、だから北向きに走っていたのだ。(ほんとはシドニーに南下しているはずだった。)ということで罰金118A$を払う羽目になった。昨今はインターネットのページで通知された違反番号を入力し、クレジットカードの番号を打ち込むだけで払うことができ便利ではある。私は自分で運転してないときはぼーっとしているので気がつかなかったけど、運転していた夫はPOLICEがいるところでスピードを落とし損ねたということで、「やばい」と思った記憶があるそうな。レンタカーを調べて誰が借りていたかを見つけて日本まで追跡してきたのね。
あそこで道を間違えなければ、その時間にそこを通るはずがなかったはずだし、あと一時間半早くシドニー近郊までついて、オオコウモリのいるクーリンガイ国立公園を見に行っているはずだったのに・・・ついてないときはとことんついていないなあ。