台北市立動物園

 ホテルは朝食券付きなので、食堂へ行ってみた。お粥か洋食が選べるようになっていて、お粥を頼むとほうれん草の炒めた物、小さな揚げ魚、厚揚げ、漬け物のセットがついてきて、お粥のおかわりが大きなお鍋でドーンと出てきた。木柵線の大安駅まで歩く。朝食の屋台がビルとビルの隙間のような場所を見つけて、あちこちに出ている。お粥系やサンドイッチ系などいろいろあってどれもうまそうに見える。ちょっともったいないけれど、明日からはホテルの朝食券は捨てて、外に出よう。
 たいした距離ではないと思ったのだが、台北の町は歩道にバイクがごちゃごちゃと置かれていて、信号が多く、歩きにくくてけっこう遠く感じた。町中ではカササギやシロガシラ、メジロ、スズメを見かけた。
 木柵線は道路の真上を通っていて、東京の新交通「ゆりかもめ」みたいな無人列車である。道幅がかなりある道路だから、こういうときは普通駅の出口は道の両側につけるものと思うが、ここには道の反対側にしかない。券売機は値段ボタンを押してから、お金をいれるようになっている。これも馴れずに間違えそうになる。切符はリサイクルできる磁気カードで、一度調子が悪くて自動改札で拒否されたことがあった。列車は無人運転であるが、駅には案内所のようなところに駅員がいるのはそのせいだろうか。 終点の動物園駅やその手前の木柵駅周辺は周囲に小高い丘があるが、丘の斜面すべてが墓地になっている。沖縄でもよく見かけるような家型のお墓と亀甲墓である。沖縄の場合はお墓の前に広い前庭があって、ここでお彼岸の時などに一族郎党が集まれるようになっているのだが、こちらは前庭はない。そのかわりお墓自体はカラフルだ。
 台北市立の動物園は一人60元。遠足できた子どもたちの姿が目立つ。10時頃からは一般の家族連れもぞろぞろとやってきた。郷土の動物のコーナーに夜行性獣館というのがある。ここのガラス張りの区画にオオコウモリのシルエットが張ってあったが中には何もいなかった。タイワンオオコウモリは洞窟を模した建物のガラス張りの区画にいると聞いていたのでここにいたはずだが、どうしたのだろう。
 もう一つ夜行性獣館があったが、清掃中だということで入れなかった。普通開館時間に掃除しないと思う。
 しょうがないので、清掃が終わるまでとりあえず郷土の動物コーナーの檻を見て歩いていたら、オオコウモリの檻はこちらにあったどうやら展示場所を引っ越ししたらしい。
臺灣狐蝠の看板まるごとのバナナとパイナップルが半分入れてある。首輪模様が白っぽく目立つものと黒みの強いのがいるが、ダイトウオオコウモリのように黄色みの強いのはいない。しばらく観察して写真を撮る。通りかかる人が「ビェン・フー」といっている。狐蝠のことらしい。日本の動物園でオオコウモリの檻の前にいると、「きゃー怖い」という反応をする人が結構いるものだが、そんなことはなく他の動物と特に変わった反応は見られない。
臺灣狐蝠写真を撮りながら、よくよく見るとどうも黒みの強い奴は、体が大きく、耳も長くクビワオオコウモリではないと思われる。その場には英語の通じる人はいなかったので、後ほどメールで台北動物園に問い合わせてみたところ、やはりこれは別種だったようだ。東南アジアのものでどこの何というオオコウモリだかはわからないということだ。飼っていたのが持ち込まれたのだろうか。掲示に何の説明もないのはちょっと不親切だ。
安安の餃子 お昼は台北市内に戻り、水餃子の安安へいく。日本の雑誌にも載ったお 店だが、小さくて目立たず、探すのに苦労した。牛肉水餃10個60元とここの名物龍魚湯餃105元、おいしかった。

 

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