やっとお迎えがきた。白いスカーフをかぶった女性がなかなか大胆な(乱暴なともいう)運転で港まで送ってくれて指さしたのは、砂浜で待っている一群のエンジンつきボート。
学校の遠足のような若者の一団が、2艘の船に満員になって乗ってでかけるところだった。女の子はみんな白いスカーフをしているからイスラム教徒だと思うが、男女は同席してもいいようだ。
海に足を浸しながら一台のボートに乗り込む。残金の50リンギットはボートを操縦する男性に直接払う。島は目の前なのでほんの5分ほど、10時50分に砂浜に着く。
浜辺から15mほど上がるとジャングルが始まる。数メートルも歩くとジャワオオコウモリとヒメオオコウモリの一群がぶら下がっている。この先島の中程まで道は続いているが、ずっとコロニーがあるようだ。鳴き交わす声が賑やかだ。
ゆっくり眺めるまもなく、着いてから15分ほどで突然激しい雨が降り始めた。傘を差してやり過ごすが、強い雨が通り過ぎた後もしとしとと続く。蚊が大挙して攻めてきた。
13時までジャングルで傘をさして立ちんぼが続いたあと、やっと雨があがった。ビデオやカメラを出して急いで撮影をしたものの、お迎えは14時である。ほんの30分ほどで、また機材をしまって浜にでる。潮が満ちて先ほど上陸した砂浜は海の下で、ジャングルのすぐ目の前まで波が打ち寄せている。
ちょうど14時、正確に迎えがきた。マレーシア時間は時計通りなようだ。島を外から船で眺めると、ウミワシがとまっているのが見える。コウモリが集まる場所とは棲み分けしているようだ。
直接このボートの持ち主と交渉して、明日晴れていたら、もう一度島に連れて行ってもらう約束をする。
昨日浜辺でクルーズのコーディネーターに申し込んだ時間よりも、迎えを1時間遅らせたのだが、幸い迎えの車はちゃんと待っていた。