5 本物のコーヒーが飲みたい

夕暮れ時の植物園にはオオコウモリが飛ぶ 島を一周して再びビクトリアの植物園に戻る。午後5時半頃からぽつぽつとオオコウモリが飛ぶ。ちなみに日没は6時半頃である。

 リゾートホテルの建ち並ぶ北部には、観光客向けのしゃれた高いレストランがいくつもあるが、地元のひとも入るところでいわゆるレストランらしいレストランは、ビクトリアの町にある「パイレーツアームレストラン」という一軒だけである。窓や壁のないオープンスタイルで、入口にガードマンが2人立っていた。コーヒー、アイスティ、クレオール風魚料理、本日のスペシャルツナステーキで計116ルピー。

 セイシェルではコーヒーというと、インスタントである。コーヒー好きとしては、ちょっと物足りない。宿で朝食に出てくるのもインスタント、このレストランも、しゃれた雰囲気に似合わずインスタント、セイシェル航空のコーヒーもインスタントだった。ここの島の人はコーヒーってのは豆を煎ったら砕いてお湯に溶かすものだと思っているに違いない。しかしコーヒーの木を見かけたから、かつては産地だったはずだが。
 
 宿の近くを散歩していると、道路わきに3つ並んだ大きなゴミ箱からネズミが飛び出した。懐中電灯の光を当てると次々と6匹飛び出してきて逃げていった。更に遅れて一匹ゴミ箱の奥深くに入り込んでいたやつが飛び出してきた。ゴミ箱を蹴ってみたら、もう一匹逃げ遅れたのが飛び出してきた。セイシェルにネズミがいるとは知らなかった。まさかアフリカ大陸から泳いできたわけではないから、移入されたのだろう

 夜11時、ふたたび大雨が降ってきた。

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