2 オオコウモリの実る植物園
商店街のちょっと先にある官庁街(?)に植物園がある。入口近くのベンチで、先ほどのお弁当を食べる。セイシェルルリバトやセイシェルヒヨドリがやってくる。
食べ終えて奥へ歩いていく。植物園の真ん中を舗装道が一本、まっすぐ奥へと続いているのだが、ササゴイが道を歩いて横切った。一番奥は後ろの山に続く斜面に熱帯雨林があり、セイシェルオオコウモリのねぐらがあった。500頭ほどいただろうか。顔と背中がオレンジがかった黄色、耳と鼻面はこげ茶色の、典型的なオオコウモリ属のオオコウモリだが、日本のもののより一回り大きく感じられた。
午後3時30分、急に空が暗くなってきて、オオコウモリが活発に飛び交う。どうしたのかと思ってみていると、3時35分、大粒の激しい雨が降り始めた。近くにある東屋で雨宿りをする。近くのベンチでお喋りをしていたグループと、もとから東屋にいた別のグループと一緒に雨宿り。
セイシェルでは英語とフランス語とクレオールとの三ヶ国語が主に使われているが、地元の人は日常的にはクレオール語を使っているので、彼らの話すことは全くわからない。ただしわれわれが出会ったどの人も、英語が使えた。ほとんどの人が2−3カ国語をしゃべれるようだ。
4時15分、だいぶ小降りになって、オオコウモリやシロアジサシが上空を飛び回る。白黒コンビだ。びしょぬれのカバイロハッカも飛び回っている。
4時40分頃再び大雨が降ってくる。これ以上待っても雨はあがりそうにないし暗くなるので、傘をさして車に戻る。ドアのない車は、座席までびしょぬれである。
駐車場から見ていると、植物園の斜め向かいにある大きなマンゴーの木にオオコウモリが集まっている。自分の体くらいの大きさのマンゴーの実を抱え込んで、食べている。目の前の官庁街をシロアジサシやシラオネッタイチョウが飛んでいく。
植物園の奥は山の斜面になっているのだが、6時35分、日没のちょっと前から、オオコウモリがたくさん飛び交う。6時50分頃には真っ暗になったので引き上げた。
部屋の明かりの一つが調子悪くて、スイッチを入れてもついたりつかなかったりする。そのままにして寝てたら、夜中にふと目覚めたとき明々と電気がついていた。大雨である。
部屋の窓から裏庭が見える。あちこちで庭に洗濯物(たぶん)を広げて雨ざらしにしているのをよく見かけるが、洗濯機のかわりだろうか。色とりどりのTシャツやパンツが、窓のすぐ下の草地に広げてある。
宿のオーナー一家はお正月明けまで泊まりがけでどこかに出かけてしまって、若い女性のお手伝いさんが、通いで朝食をつくったり洗濯をしたりしている。この人の英語は早口でおまけにアクセントが独特で、非常に聞き難い。