3 市場にて

 さて小雨の中、ビクトリアの町の市場に出かけてみた。町の端に、大きな無料駐車場がある。市場に行く途中の街路樹に、シロハラベニノジコが営巣していた。枝から草を編んでぶら下がる巣である。雌が盛んに巣材を運んでいる。雄は近くに止まっている。

野菜や果物を売るコーナー 町は相変わらず人が多いが、市場は特にあふれ返っていた。野菜のコーナーは個人個人の区画があって、キャッサバ、ツルムラサキ、ニラ、キャベツ、レタス、ニンジン、クレソン、ハーブ類などを並べて売っている。長い大きなパイナップルを二つ割りにして売っている人もいる。皮をむいたココナッツだけを売っている人もいる。島の特産、紅茶を売るお店もあったので、バニラティを買って帰ったが、ちょっとバニラの香りが強烈すぎる。七味トウガラシ屋のようにスパイスだけを売っているお店もある。できるのは七味ではなくオリジナルカレー粉のようだ。カラフルなトウガラシだけを小山にしている人もいる。手作りのほうきまで売っている。

無造作に内臓が投げ捨てられている魚コーナーにはアマサギが集まっていた 魚のコーナーは腰の高さくらいのカウンターがぐるっとコの字型になっていて、その上に内臓を取った大きな魚がごろんごろんと並んでいる。カウンターの内側には内臓が捨てられているのだが、そこにはなんとアマサギが何羽も入り込んで落ちている内臓をついばんでいた。カウンターに上がり込んでいる奴もいる。アマサギって草原でバッタを捕っているイメージがあったのだが。


切り売りのソーセージ 肉屋は5軒、小さな建物の中に集まっている。黒いものを食べながらこの建物から出てくる人が多いのでのぞいてみた。店頭に黒い大きなソーセージがつるしてあって、お客がコインを差し出すと、その額に応じてソーセージを切って手渡してくれるのだ。1ルピー(公式レートで20円ほど)出したら、3cmくらい切ってくれた。血をデンプンで固めたものに野菜の細切れが入っているようで、レバーのような外見に似合わずくせも臭いもなく、食べやすかった。ほんのり温かかったのはできたてだったのだろうか。店の外では落ちたソーセージを狙ってアマサギが待ちかまえている。店頭にはその他に豚足、心臓など豚のあらゆる部位がぶら下がっていた。肉屋の前でおこぼれを待つアマサギ

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