もう一つのフルーツバットを訪ねてコスタリカへ

手元の英和辞典でfruitbatをひいてみた。リーダーズ英和辞典は「オオコウモリ(果実を常食とする大翼手類の総称;顔がキツネに似ているためflying foxともいう)」と書いてある。実は日本のオオコウモリにはまってオオコウモリの世界へ入ったわれわれも、フルーツバット=オオコウモリと思っていた。後に海外からアメリカでは小コウモリの果実食のものもfruitbatというと思うと言われて初めて知った。

たぶんそのように書いてある辞書が多いせいだろう、海外からのコウモリ番組を見ていて、舞台はアメリカなのに「オオコウモリの仲間ですね」と解説が入って「えっ」と思うことがある。オオコウモリはアフリカ、アジア、オーストラリア他太平洋やインド洋の島々に生息するけれど、南北アメリカ大陸とヨーロッパにはいないのだ。

代わりにといっては何だが、小コウモリの仲間のヘラコウモリ科が、昆虫だけでなく植物を食べるようになったり花蜜を食べるようになったりしている。

その点ジーニアス英和大辞典は「(1)オオコウモリ(flying fox)オオコウモリ科;果実を好む (2)フルーツコウモリ 中南米に生息するヘラコウモリ科アメリカフルーツコウモリ属(Atribeus)および近縁な属の総称:小形で果実食」と正確である。

さて、オオコウモリファンとしては一度はこのアメリカの植物食コウモリを見てみたいと思っていた。特に真っ白なシロヘラコウモリは長年のあこがれだった。

ヘラコウモリの仲間は多様に分化していて、鳥やネズミを食べるチスイコウモリモドキや、世界に3種しかいないチスイコウモリもヘラコウモリ科だ。足で水面近くの魚を捕まえるというコウモリらしからぬウオクイコウモリもヘラコウモリ上科という仲間に入る近縁の科だ。

この仲間はアメリカ合衆国南部から中南米にかけて分布する。アメリカ合衆国はいずれサボテンの花の咲く時期に行ってみたいものだが、中南米となると政情不安定だったり治安のよくない国も多く、夜森を出歩くのには不安がある。

その中でコスタリカは比較的そういった心配のない国だ。エコツーリズム発祥の地だけに、自然観察を売り物にする宿も多いし、公用語はスペイン語で単語が多少わかる程度だが、英語が通じるガイドもけっこういるようだ。

ということでコスタリカへ行ってみた。

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