探鳥会
Acadia's Birds(探鳥会)は島の北東部の駐車場集合である。このあたりは前に書いた1947年の大火事の影響をもろに受けているので、明るい広葉樹の林で、南方系の鳥が多い。島の南西の先端もバードウォッチングポイントであるが、ここは海岸までトウヒなどが連なる岩だらけの針葉樹林で、林床にはゴゼンタチバナが赤い実をいっぱいつけている。レンジャクやイスカやムシクイ、キクイタダキがあちこちで見られ、カナダと共通する鳥が多く、北東部とは、鳥相ががらっと異なる。(左上の画像は南西部のバードウォッチングポイントのwanderland trail)
Beaver pondは、その名の通りビーバーの巣(Beaver lodgeと言うらしい)がいくつもあり、夕方には姿も見られるようだ。ここで見られたのはアメリカオシ、ただしメスタイプなので地味な姿である。向こう岸の枯れ木にEastern
kingbirdも2羽いる。ヒメレンジャクが鳴きながら頭上を飛ぶ。キキキキ・・・と鳴きながら飛んでいった鳥がいたが、たぶんDowny
Woodpeckerだろうとレンジャー氏はいい、このあたりにもう一種類いる小型キツツキ
Hairy Woodpeckerとの見分け方を説明する。
道の反対側に移動する。明るい林縁である。ネコマネドリというのが文字通り猫のような声で「ミャーミャー」と鳴いている。ウタスズメの声もする。しかしこの何とかsparrowというやつは、図鑑を見てもなんだかわからんなあ・・Savannah
sparrowが日本に来たときに真っ先に案内してもらったけど「ふーん」ってな感じだったし。
オウゴンヒワがキリリリキリリリと鳴きながら飛ぶ。餌台によく来るなどという説明がある。黄色い鳥がもう一羽、茂みに見え隠れしながらやってきた。「オウゴンヒワだ」という声が挙がるが、レンジャー氏は「くちばしの形や翼の模様に注目するように。」という。ちょうど見やすいところに出てきたのを観察すると、キイロアメリカムシクイの若鳥であった。やぶの中をすばやく移動する鳥がいる。細いくちばしに白い眉線、オリーブ色の体、「ウグイスがアメリカにもいたのかな」と思ったらアカメモズモドキであった。ちっとも赤目でないのだが、目の赤い個体はめったにいないとのことである。よく鳴く鳥で"Here
I am. Behind you."と聞きなすとか。
さて、8時半をまわった。ハヤブサを見に行きたいかとレンジャーが聞き、みな賛成したので、車で数分のPrecipice駐車場へ行く。みな車で来ているので10台ほどの行列になり、なかなか壮観である。ここは標高1058フィートのChamplain
mountainへ登るPrecipice Trailの入口があるが、ハヤブサの繁殖期には、この
Trailは進入禁止になり、朝9時から12時まで駐車場に別のレンジャーが常駐していて、望遠鏡でハヤブサを覗かせてくれる。まだ時間前なので、駐車場はわれわれ以外誰もいない。
アケーディアのハヤブサは1950年代後半に、主に農薬が原因で絶滅したが、他の地域の個体を移住させるReintroduction
programが1984年から行われ、現在は駐車場の前にそびえ立つ崖で繁殖している。オスとメスが一個体ずつ崖に止まっているのが見られた。オスメスの見分けかたの質問がでる。
更に車で数分移動し、Blackwoods campgroundの駐車場へ行く。途中で料金所を通るのだが、レンジャーと一緒のためか、ただで通してくれた。ちなみに料金は、一週間のパスが10ドルである。しかしこの料金所を通ったのは、常に早朝か夜遅くだったので、料金所に人がいなくて、とうとう10ドル払う機会がなかった。アケーディアの自然を堪能させてもらったので、別に踏み倒すつもりはなかったのだけど、払う機会が最後までなかった。
Blackwoods campground周辺は針葉樹と広葉樹の林が両方見られ、鳥影も多い。15人ほどの別の探鳥グループがいた。
まずは駐車場でムシクイの混群と出会う。キタアメリカムシクイとノドグロミドリアメリカムシクイの見分け方を教わる。今鳴いているbuzy
buzy buzyというのはfeeding callだそうだ。ムシクイだけが載った図鑑も見せてもらったが、どのページにも似たような鳥ばかりが並んでいた。
そのまま海へ向かう。メインらしい岩浜で、ミミヒメウが羽を干していた。セグロカモメも岩の上で休んでいる。アジサシが飛ぶ。
ワタリガラスの声がしたが、アメリカガラスの姿しか見えない。ワタリガラスとアメリカガラスのすみ分けの話になる。もとはアメリカガラスが海岸、ワタリガラスが山と住み分けていたが、現在はどちらもアメリカガラスが多いそうだ。 予定通りのほぼ10時に、駐車場にもどり、解散となる。駐車場前の林では、ヒメレンジャクが木のてっぺんで歓迎してくれた。先ほどの探鳥グループは、まだムシクイの混群を観察していた。何かめずらしいものも混じっているらしい。
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