マリアナオオコウモリ

    人間不信のオオコウモリ

 地元チャモロの人はオオコウモリが大好きである、食べるのが。  マリアナはスペイン統治時代にカトリックに帰依させられたので、各村には守護聖人がいて、その記念日にはフィエスタというお祭りが行われる。特にロタ島の中心地ソンソン村のサンフランシスコ・デ・ボルハ教会では、マリアナ最大のフィエスタが行われ、グアムやロタからたくさんお客さんが訪れる(日本の観光客には全然知られていないが)。ロタ島やマリアナオオコウモリについて調べていたら、こんな文章に出会った。1983−1984年当時には、このフィエスタのために特別に15頭オオコウモリを捕獲することが許されていたが、実際はそれを隠れ蓑に、この期間には明らかに何百頭というオオコウモリが「その15頭」に当たるという名目で捕獲されて公のパーティや家庭で食べられているという。 この記載に興味をもってフィエスタにも行ってみたのだが、さすがに今は堂々とは食べていないようだ。しかしあちこちで密猟の話は聞く。1997年暮れの台風のあとなどには、山からオオコウモリがたくさん海岸近くに下りてきたが、だいぶ食べられてしまったという噂を耳にした。
 日本のオオコウモリは、那覇の町中でもけっこう見られるし、あまり人を恐れず2mくらいまで近づいても平気で採餌している。集合するからよく目立つし、可聴音を出して騒がしいことこの上ない。仮に生息数が少ないとしても、ペリットや糞は見慣れているから、探せるだろうと思っていた。 ところがこの島のオオコウモリは昔から食糧として狩猟されてきたせいか、人間不信なのである。うっかり風上から研究者が近づいたら、その臭いでコロニーが放棄されてしまったなどという報告があるくらいである。台風で山に餌がなくなったとき以外は人里にはあまりこない。ジャングルの中ではペリットや糞をさがすのもなかなか難しい。 ということで近くで見る機会は全然なかったが、この島の二ヶ所の山、タイピンゴット山とサバナ高原には、なかなかいい斜面林が残っており、夕暮れ時に空高く飛ぶ姿は見ることが出きる。しかし初めての人にはなんだかわからないだろうなあ。後ほど出てくるが、海岸近くの崖の下にジャングルが広がりアカアシカツオドリのコロニーとなっているバードサンクチュアリがあるのだが、ここにもオオコウモリは生息しており、昼間飛ぶし崖の上から観察するので わりとわかりやすい。

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