世界中で一番見たかったウマヅラコウモリ

 今からおよそ20年前、このままサラリーマン生活を続けていては、シロヘラコウモリもウマヅラコウモリを見に行くことはできないだろうからと、二人揃って仕事をやめた。その後、シロヘラコウモリはコスタリカで見ることができたのだが、ウマヅラコウモリは、情報も少ないし、アフリカの中央部という場所柄治安の問題もあって、なかなか見ることがかなわなかった。

 ウマヅラコウモリHypsignathus monstrosus(英語でHammer-headed Fruit Batガーナの人はHammer Batということが多い)というコウモリのことを初めて知ったのは1996年に発行されたイギリスのコウモリ学者オルトリンガムによるBats: Biology and Behaviour (翻訳はコウモリ: 進化・生態・行動八坂書房(1998))である。何十頭ものオスが夜の森で50mかそこら間隔をあけてぶら下がり、鳴きながらメスにアピールするという話を読み、そのために大きく膨らんだ喉をもつユーモラスなオスのウマヅラコウモリのイラストを見て興味を惹かれた。レックという言葉を知ったのもこの本からだった。レックとはオスがたくさん集合して歌ったり、ウマヅラコウモリのように大きな声で鳴いてメスにアピールする場所をさす。メスは気に入ったオスがいたら交尾をする。このような求愛方法をとるのは、コウモリではウマヅラコウモリの他はニュージーランドのツギホコウモリだけである。

 ウマヅラコウモリが見たくてアフリカに行ったのは実は2回目である。ケニアのカカメガの森Kakamega Forest National Reserveのホームページにウマヅラコウモリが生息していたことが書いてあったので2010年11月に訪れた。(どうぶつの国35-37)。鳥のガイドを雇って聞いてみたら、それははるか昔、カカメガの森が今よりずっと大きくて人の手が入ってなかった頃の話だといいつつ、その若いガイドが宿から40km離れたところにウマヅラコウモリがいるという情報を聞いてきたので、タクシーを頼んで行ってみたら、ストローオオコウモリEidolon helvumのコロニーだった。

 今回はもっと確実そうな情報だったので、円安の今、懐には痛いが、ガーナ10日間(機内泊も含む)の旅へ2024年10月16日夜、出発した。成田から今回の旅のコーディネーターさんが同行する。ドバイ経由でガーナの首都アクラのコトカ国際空港まで20時間強。乗り換えの待ち合わせを含めるとまる一日かかる。


2番目に見たかったコウモリ、キバネアラコウモリにはロッジの敷地で出会う

シャイヒルズ保護区Shai Hills Resource Reserve

カクム国立公園Kakum National Park

ウマヅラコウモリを見にアンカサへ

ウマヅラコウモリのレックを見る

アンカサ保護区とミゾコウモリ

ストローオオコウモリを見に国境近くへ

明るい光の中でウマヅラコウモリを見る

幻の鳥ハゲチメドリ

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