泳ぐオオコウモリが見たくて ニューサウスウェールズ旅行記

vivienさんのところで保護されていたハイガシラオオコウモリの子どもオーストラリアの大部分は乾燥地帯である。東側のほんの狭い部分に雨林があるのだが、これも南のニューサウスウェールズ州(シドニーとか)へ行くと、かなり乾燥したユーカリ林になってしまう。暑い乾燥した季節には、なんとオオコウモリが夜の採餌に行く前に、川に飛び込んで腹を濡らし、のどを潤すという。そういえばオオコウモリはあんなに黒くて、大きなコロニーでは葉が落ちて直射日光にさらされているのに暑くないのだろうかと思っていたのだが、これは画期的な避暑方法かもしれない。ただし、ワニのいる地方にこのオオコウモリ文化が広がると、まずいかも。

前回のオーストラリア行き後に入会した、The Australian Bat Societyの会報でBellingenという人口2600人の小さな町で、川面で腹を浸しながら飛ぶオオコウモリの写真付きの報告を読み、報告者Vivienさんとe-mailで連絡を取ってみたら、「お会いしたい」とこのとであった。更にこのコロニーはCaravan Park(キャンピングカーを止めるところですが、通常常設のキャンピングカーもあります)の隣にあって、もしもここに泊まるなら、オーナーにオオコウモリを見に遙々と日本から来たと行ってもらえると、彼らのオオコウモリに対する認識も変わるかもしれないという。

オーストラリアには何万というオオコウモリが生息していて日本とはくらべものにならない数が見られるが、人間との摩擦も多い。クイーンズランドでは果樹園に被害を与えるということでメガネオオコウモリが電気ネットでたくさん殺されているし、メルボルンでは植物園に住みついたハイガシラオオコウモリを減らすために2001年4月に撃っている。またそれ以外の場所でも、住民からコロニーを駆除せよという声はよくあがるらしい。前回訪れたアサトン高原のBat hospitalのJennyさんも、近くのマレーバという町のコロニーを帰りがけに見ていくと言ったら、この町でも排除の声が大きいので、町の観光課に行って「日本から、オオコウモリを見に来たんだけど、どこでしょう」と聞いてくれると、彼らもオオコウモリが観光資源になるかもしれないと気がつくかもしれない、と言われた。

なお、シドニー植物園にもハイガシラオオコウモリのコロニーがあるが、殺さずに数を増やさないような試みをしていると聞いたので、今回はBellingenとシドニーとメルボルンの植物園を訪れることにした。

  1. ブリスベンへ
  2. ゴールドコーストへ
  3. きままにオーストラリア
  4. 朝の公園
  5. マカデミア城
  6. グラフトン
  7. ミズナギドリの島
  8. オオコウモリキャンプ
  9. ムーンライトカヌー
  10. 子連れでドボーン
  11. コウモリと共存する町
  12. Baby batと記念撮影
  13. 宿がない
  14. ハリモグラ
  15. 夜のツアー
  16. オオコウモリの革細工
  17. 日常会話は難しい
  18. 虹を渡るオオコウモリ
  19. 再び宿がない
  20. 最後の夜
  21. どこまでもひたすら同じ光景
  22. Bush fire
  23. シドニー王立植物園
  24. オオコウモリアート
  25. 400万都市に棲むオオコウモリ
  26. メルボルンへ
  27. オオコウモリな人
  28. 植物園の野外活動
  29. 嫌われるオオコウモリ
  30. 夜間立ち入り禁止
  31. メルボルン観光
  32. ブリスベン川
  33. 再び水を飲むオオコウモリと遭遇
  34. Life's like that.

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